動画視聴者からの大きな反響でリリース実現 Leina、新曲「食わず嫌い」に込めたメッセージ
シンガーソングライターのLeinaが、新曲「食わず嫌い」をリリースした。2月には藤井風やiriなどを手掛けるYaffleからのラブコールで楽曲「Highway」を発表し、春の全国ツアー『Leina Live Tour 2024 "ReUnion"』(大阪BIGCAT、福岡BEAT STATION、名古屋SPADE BOX、東京LIQUIDROOM)は全公演ソールドアウトさせるほど、着実に階段を駆け上がっているLeina。これまでも「うたたね」「どうでもいい話がしたい」などの楽曲をSpotifyバイラルチャートに送り込んできたが、「食わず嫌い」はさらなる大きなヒットとなりそうな兆しを感じさせる。本作は5月17日にTikTokやInstagramリールにて「好評だったらリリース!」という文言とともに初投稿され、その後も歌唱動画やライブ映像を投下し、視聴者からのリアクションがどんどん大きくなっている中でのリリースとなる。
「食わず嫌い」は、Leinaの大きく息を吸う音からアコースティックギターの弾き語りで始まる。Aメロの〈頭が悪くなりそうな夜だよ〉というフレーズは、「あ」「わ」「り」あたりにアクセントがつけられていて、SNSのフィードに流れてきた際も妙に耳に引っかかる。Leinaいわく、この癖ある歌い方を作るにあたってはマイケル・ジャクソンをリファレンスにしたそうだ。サビに入る前はあえてBPMを落として非日常へと誘惑するような雰囲気を作り出し、日本人が好むと言われている「Just The Two of Us進行」を発展させたというコード進行のサビへ突入。さらには、全体を通して大人が集まるバーの夜の情景を浮かび上がらせながら、「食わず嫌い」にちなんで食器などの食べ物や食事にまつわる音が散りばめられているという仕掛けも。全体通して、どこを切り取っても耳を掴む要素と飽きさせない要素が続く巧みな作りとなっているのだ。
テーマとしては、バーでの出会いから相手を落としにいくまでの物語が音と言葉で描かれるが、危ない色気が漂うラブソングで終わらせないのがLeinaの手腕。ちょっとズルくてモテる恋愛上手なタイプの人が主人公として物語が進んでいくが、最後には〈もう生身の赤いままで何も着飾らなくていい未熟な君に溺れたいの〉という一行が震える声で歌われる。恋愛テクニックやカッコつけている表情を捨てて、未熟な部分も受け入れたいと思う純粋な「愛」へと変化し楽曲は幕を閉じる。
さらにいえば、〈食わず嫌いは性には合わない/まずは一口tasting tasting〉といった詞には恋愛以外のメッセージも含まれていると読める。そもそもLeinaは、自身が孤独感や傷を抱えた時に音楽に救われた経験から、「倒れそうになった時にその人の背中をそっと支えられるような音楽」を自ら鳴らしたいという想いを持っているアーティストだ。「食わず嫌い」は恋愛の様子を描写しながらも、自分の知らないことや経験のないことに無意識的にも拒否反応を示してしまう人間の性を掬い上げて、「まずは一口味見してみれば?」「一回やってみれば?」とそっと背中を押す表現になっている。洪水のように溢れている情報や周りの人たちに「騙されないように」「バカにされないように」「選択を間違わないように」と、たくさんの予防線を張りながら賢く生きようとしている現代人に、普段自分が正解だと思っているものとは逆を選ぶと世界が広がることもあるよ、とLeinaが世代の先頭に立って歌ってくれているようにも聴こえる。
歌詞では〈好きな物程後に取っておくより一口目が美味しいでしょう?〉と歌われるが、Leina自身は「自分は好きなものを最後に食べるタイプなんですよ。でも確かに、自分はラーメンがめっちゃ好きなんですけど、ラーメンって一口目が一番美味しいんです(笑)。だから、ズルい人に『好きなものは取っておくより一口目に食べた方が美味しいでしょ?』って言われたら納得しちゃうと思う(笑)」と私に話してくれた。人は自分の考えを曲げない方がよしとされるが、自分の普段の考えとは違うことや自分の性には合わないことに対しても「納得しちゃう」自分がいるならば、そのままの自分を受け入れればいい、ということまで教えてくれるポップソングになっている。
Leinaの音楽をまだ聴いたことのない人、「こういう感じの曲はあまり聴かないんだよね」などという人こそ、この曲を食わず嫌いせずにまずは一口味見をしてみてほしい。一度聴けばきっと、耳がその味を覚えてしまう。
■リリース情報
「食わず嫌い」
配信はコチラ
https://lnk.to/leina_kuwazugirai
■ライブ情報
『Leina FC Live Tour 2024 "umbrella"』
ファンクラブ限定のライブツアーが決定!
8月2日(金)東京キネマ倶楽部(東京)
8月16日(金)BERONICA(大阪)
※詳細に関してはファンクラブ内で随時更新中
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