UVERworld、HANA、LE SSERAFIM、マルシィ、なとり、AKASAKI……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は、UVERworld「NO MAP」、HANA「Burning Flower」、LE SSERAFIM「DIFFERENT」、マルシィ「青空」、なとり「プロポーズ」、AKASAKI「全身前礼」の6作品をピックアップした。(編集部)

UVERworld「NO MAP」

UVERworld『NO MAP』(Official Music Video)

 結成25周年、デビュー20周年を迎えるUVERworld。7月2日リリースのニューアルバム『EPIPHANY』から先行配信された「NO MAP」は、曲名通り、地図なき場所を進んできた彼らの軌跡とリンクした楽曲だ。〈We walk out from the darkness〉というフレーズ、70年代のソウルミュージックを想起させる鍵盤からはじまり、ヘヴィロック、ヒップホップなどを交えながら、今の彼らにしか生み出せないバンドグルーヴ――重さとしなやかさを併せ持った――を放ちまくる。歌詞の内容だけではなく、サウンドや声そのものによって、「自分たちは進み続ける」という意思をダイレクトに示す。この言動一致なスタイルもまた、UVERworldが強く支持され続けている理由。「NO MAP」によってアルバムへの期待が高まるのは言うまでもない。(森)

HANA「Burning Flower」

HANA / Burning Flower -Music Video-

 ガールズグループ・HANAの最新曲。作詞作曲とプロデュースは引き続きちゃんみなを中心として進むが、今回はメンバー自身がコレオグラフを担当。7人の個性がより前に出てきた。夏がテーマ、MVではプールシーンも、という話題性を受けてパーティーソングを想像してみれば大ヤケド必至。複数名グループで歌うポップスの対人関係は、だいたい恋愛(私とあなた)、もしくは連帯(私たちのパワー)がテーマになりがちだが、ここまで〈私〉オンリーで展開していく楽曲は類を見ないのではないか。絶叫に近い歌の熱量と、続くコーラス〈あちちちちち〉のゾクゾクする言い回し。本気が伝わる、というか、本気しか伝わってこない格好よさ。(石井)

LE SSERAFIM「DIFFERENT」

LE SSERAFIM (르세라핌) 'DIFFERENT' OFFICIAL MV

 “ディスコ×ファンク”なサウンドのなかで奏でられるのは、“人と違っていい”をテーマにした歌詞。日本4thシングル『DIFFERENT』のタイトル曲「DIFFERENT」は、聴く者すべてをエンパワメントしてくれるエナジーソングだ。アリアナ・グランデ、ジャスティン・ビーバーなどの楽曲に関わるクリエイターであるトミー・ブラウンなどが参加したトラックは、言うまでもなく世界標準。温故知新なビートとメロディラインを自然に乗りこなしながら、自己肯定感をしっかり引き上げてくれるリリックを響かせるメンバーのパフォーマンスも、ここにきてさらに向上している。「がんばりすぎなくてもいいし、声高に主張しなくてもいい。なぜなら、あなたは最初から特別なんだから」というメッセージも最高。というか、これが当たり前の世界に早くなってほしい。(森)

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