UNFAIR RULE「ここまで連れてきてくれてありがとう」 ツアーファイナルで約束した“誰も置いていかない”未来

UNFAIR RULEは「これからも思いっきり、思うように、思うまま」に

 狂熱の度合いがピークに達したところで、一旦小休止とばかりに長めのMCが挟まれる。東名阪クアトロワンマンを含む秋ツアーの発表など種々の告知がなされたのち、ふいに山本が改まった様子で「ちょっとしゃべりたいんだけど」と切り出した。そこで語られたのは、20歳になったタイミングで一人暮らしを始めたという彼女が、岡山の実家から持ってきた“2つのお守り”についての独白だった。

 「私は中学の時にいじめられ始めて、学校に行ってませんでした。卒業式の時にママからもらった手紙に『みーちゃんのつらいことに気づいてあげられなくてごめんね。もっと会話したらよかったなと後悔しています』と書いてありました。私はそんなことを二度とママに言わせたくなくて、その手紙をお守りの1つとして持ってきました。もう1つのお守りは、パパからもらった言葉。私が一人暮らしを始めた日に、パパがこっそり『思いっきり、思うように、思うままやってこい』ってツイートしてたんですよね。高2で学校を辞めて、バンド1本で頑張ると決めてから3、4年が経ったわけですけど、思いっきり、思うように、思うままやってきたらO-WESTに立てました。ここまで連れてきてくれてありがとう」

 穏やかな熱のこもった拍手で会場が包まれる中、続けて山本は「パパの言葉を借ります。UNFAIR RULEはこれからも思いっきり、思うように、思うままやります。だからついて来てよ! 誰も置いていかない! これからもよろしく!」と声を張り上げて嵐のような喝采を巻き起こし、音楽で生きていく決意を歌った「非行少女」を投下する。歌の合間に瞬間瞬間の思いを絶叫しながら直情的な歌声をフロアの隅々にまで届けると、再度テレキャスターに持ち替えてバンドのセルフタイトル曲とも言えるラストナンバー「ずるい約束」を披露。強烈なフィニッシュブローで会場を沸騰させた。

 アンコールでは軽快なシャッフルナンバー「このままでいいのさ」で盛大なシンガロングを巻き起こしたかと思うと、中盤でも演奏したパンクチューン「嘘」を再び畳みかけてダメ押し。UNFAIR RULEというバンドの持つ旨味を凝縮して煮詰めた濃厚なジャムのような約2時間弱のステージを大団円に導いた。

<セットリスト>
01. 君にさよならを言わない
02. 馬鹿みたい
03. 気づいてほしい
04. 思い出になっても
05. 次の日のこと
06. ふたりのうた
07. 大阪
08. 悲しくないよ、
09. 曖昧
10. 内緒
11. 言葉に恋する君が
12. if
13. 嘘
14. Clone
15. 消しゴム
16. こんな日には
17. ラストソング
18. バーカ!
19. かわいこちゃん
20. 非行少女
21. ずるい約束
<アンコール>
22. このままでいいのさ
23. 嘘

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