THE JET BOY BANGERZが踊ると音が聴こえてくる LDHを背負って掴み取った『THE DANCE DAY』優勝
そしてファイナルラウンドでの作品のコンセプトは“飛躍”。楽曲はMILLENNIUM PARADEの「Fly with me」だ。紫のシャツに黒のハットを被ったシックな衣装を身に纏い、ショーテイストで1stラウンドとはまた違った高揚感を作り出した。胸や腕だけでなく下半身をも使ったバイブレーションで音を聴かせながらも、アクロバットやフロアを交えた突飛なコレオグラフィーで楽しませていく。楽曲の後盤、ハットを投げてからはさらにギアを上げ、畳みかけるようなパフォーマンスに会場は大歓声に包まれた。終了後、TAKUMIは「今回アーティストとしてLDHを背負って、そして負けるリスクを背負って――それでもやっぱり体ひとつで絶対に僕らはダンスへの愛だったりダンスの素晴らしさっていうものを届けるために、もう一度チャレンジしに来ました。多くの人に僕らの想いが伝わっていると嬉しいです」と信念のこもったコメントで、チームの強い結束を感じさせた。完成度の高いパフォーマンスに同じLDHの先輩でもある松井はスペシャル解説で「事務所で練習しようと思ったら、やけにTJBBメンバーがいるなと思っていた」と語っていたが、彼らの持ち前の実力だけでなく、チームとして圧倒的な練習量を感じさせるパフォーマンスになっていたのだ。
最終審査では、8人中3人の審査員が彼らに票を入れ優勝が決定。TAKUMIは「僕らはアーティストとして、これからもこの7人とボーカルの3人と、合わせて10人でアーティストという形で大好きなダンスを伝えていきたいなと思います!」と涙ながらに語った。惜しくも優勝を逃がし、悔し涙を流した前回大会から一年、プレッシャーを背負いながらも勝ち負けがつく以上、負けたままではいられないという彼らのこだわりとプライドが望んだ通りに実を結んだ瞬間だった。
すべての音を丁寧に拾う彼らのダンスは、見る者にただ聴いているだけでは気づけない音の存在に気づかせるような力がある。彼らが踊ることで音が聴こえてくる、言わば“音を可視化”させるような彼らのパフォーマンスは、もはやダンスパフォーマンスの枠すら超えているようにも思える。前述の通りTHE JET BOY BANGERZのパフォーマーメンバーは全員がD.LEAGUEの選手として活躍しているが、そこでは全員が同じチームで活躍しているというわけではない。現在もシーズン中のD.LEAGUEでのパフォーマンスをそれぞれのチームで練りながら、さらにTHE JET BOY BANGERZとしての新曲リリースやそれに伴うイベントなどを兼ねながら、本大会にも照準を合わせて作品を作り上げた。彼らの体力と精神力にもう一度拍手を送るとともに、ダンスをこよなく愛し、カルチャーの最前線をひた走る彼らのさらなる活躍を楽しみにしたい。
■リリース情報
EP『まさか泣くとは思わなかった』
5月28日(水)CD Release
初回生産限定盤(CD+Blu-ray)5,500円(税込)
通常盤(CD)1,650円(税込)
CD予約:https://tjbb.lnk.to/qKlzg1
表題曲「まさか泣くとは思わなかった」
4月10日(木)先行配信
配信:https://tjbb.lnk.to/iSKQD2