九州大学卒 ばってん少女隊 春乃きいなに聞く アイドル活動と1年の浪人、学生生活を両立させた意地
ばってん少女隊の一員としてステージに立ちながら、名門・九州大学を目指して受験勉強に励み、4年間の大学生活を経て、見事に卒業を果たした春乃きいな。その歩みは、ただ学業とアイドルの両立を成功させたという言葉では語り尽くせない。葛藤と挑戦の日々、周囲への感謝、そして自らの好奇心を信じ続けたその背中には、これからを切り拓く確かな意志が宿っている。
今回リアルサウンドでは、春乃にロングインタビュー。受験とアイドル活動を並行した当時の心境、九州大学で得た学び、東京進出を果たした新体制のばってん少女隊への思い、そしてこれからの展望まで、率直な言葉で語ってもらった。(川崎龍也)
意地で手に入れた九州大学への道
――3月に九州大学をご卒業されたということで、まずはおめでとうございます。改めて、卒業の際の反響はいかがでしたか?
春乃きいな(以下、春乃):ありがとうございます! そもそも大学合格を報告したときにも、ファンのみなさんにはお伝えしていたので、卒業もきちんと報告しようと思っていました。でも、想像していた以上にたくさんの反響をいただいて……正直、驚きましたね。「卒業報告をきっかけに知りました」という方もいて、本当に嬉しかったです。
――九州大学というと、国立大学というだけでなく“旧帝大”として知られる難関大学です。インテリなイメージで見られることも多いと思います。
春乃:そういうふうに見ていただけて嬉しいです(笑)。小さい頃から勉強はちょっと得意な方だったので、グループの中で、勉強という分野を強みにできたらなとは思っていました。福岡にいたので、「九州大学を目指したい」と自然に考えていましたし、そこに入学できて、無事に卒業までたどり着けたことは、自分の中ですごく大きな達成感になりました。
――活動を続けながらも、ずっと九州大学への進学を目指していたんですね。
春乃:そうですね。小さい頃から、大学には行きたいという気持ちは自然と持っていて、高校生になったときに「どこの大学に行こうか」と考えた中で、勉強が得意なところを活かしたいなと思いました。当時は活動拠点も九州だけだったので、福岡にいるなら九州大学を目指すのが一番だな、と。すごくシンプルな考え方でした。
――現役では九州大学に届かず、一度他の大学に合格したものの、浪人を決意したと伺いました。
春乃:はい、現役のときは九州大学に落ちてしまって……。後期試験で別の福岡の大学に合格はしていたんですけど、やっぱり諦めきれなかったんです。このまま進学したらきっと悔いが残るだろうな、って。その気持ちが強くて、もう1年だけ挑戦しようと決めました。
――浪人を決断するには、かなり大きな覚悟が必要だったのではないでしょうか?
春乃:最初はもう、半分は勢い、半分は意地みたいなものでした(笑)。絶対に行きたいという強い気持ちがあったので、自然と「1年で絶対に受かるしかない」という覚悟が生まれましたね。振り返ると、浪人中の1年間は常にピリピリしていたなと思います。自分でもプレッシャーをかけながら過ごしていた感覚がありました。