その勢いのまま、燃える炎に囲まれたステージで披露したのは、「Entichers」。異国情緒漂うダークなメロディと官能的なヴォーカルが作り上げる怪しい世界に飲み込まれていく。tetsuyaの歌うようなベースソロパートでは自然と歓声と拍手が沸き起こった。続く「XXX -English version-」では凄まじい迫力のサウンドを叩きつけ、身動き一つできないほどの緊張感に包み込まれた。

　ここでなんと、renoとhibikiのコンビ“リメンバーミー”による漫才がスタート。まさかの展開に客席がざわつく中、“renoのかっこいいステージング”をネタにしっかりと笑いを取り、オーディエンスを和ませる。端で見守る他のメンバーが爆笑する場面も。

　いろいろな意味で濃密なライヴも、いよいよ後半戦へ。「DIVE TO BLUE」ではハンドクラップやシンガロングで会場全体が心を一つにし、「GOOD LUCK MY WAY」ではドラムの傍に来たjekyllからhibikiがマイクを受け取って熱唱。ライヴの盛り上がりは最高潮へと達する。そして本編ラストを飾ったのは、「虹」。七色のライトがステージから放たれ、紙吹雪が降り注ぐ夢のような景色の中、圧巻のスケールの演奏で大きな感動を届けた。

　すでにトリビュートバンドの域を超えた一つのバンドとして盤石な体制を作り上げ、メンバー同士の絆も深まっているLike-an-Angel。そんな彼らが大きな一歩を踏み出したのが、この日のアンコールだ。鳴りやまない声に応える形で5人が再び登場し、届けたのは完全オリジナルの新曲「Angel beside yoU」。L'Arc-en-Cielの世界観にも通じる憂いを帯びた美しいメロディと、Like-an-Angelならではのヘヴィで重厚なサウンドを掛け合わせたようなこの曲は、メンバーからtetsuyaへのバースデープレゼントとして贈られたものなのだという。ライヴ前半のMCでtetsuyaが言った「僕抜きで、みんなが楽しんでいるのを見てるのが楽しい」という言葉をまさに体現した作品となった。

　特別な思いを込めたデビュー曲を受け取った観客は、この日一番大きな歓声と拍手を贈り、彼らの新たなスタートを大いに祝福。最初から最後まで、幸せなムードでいっぱいのまま「MY HEART DRAWS A DREAM」でフィナーレを迎えた。

　一つのオリジナルなバンドとしての側面も持ち合わせたLike-an-Angel。彼らの胸の中に描かれた夢は、これから先、さらに大きく広がっていくに違いない。