浜崎あゆみが歌う“あの頃”と変わらない魂 月9主題歌「mimosa」で綴る、悩み傷つきながらも生きる人へのエール
〈人を心の底から信じるだなんて/何かに本気で人生賭けるだなんて/今の時代にまるで合ってないことはさぁ/わかっているんだけどそれでもねぇ/やっていくんだよ/だって此処がキミの居る世界なんだから〉という「mimosa」の一節は、千明の人生における戦闘再開宣言とリンクする。聖母のような包容力や慈しみを見せていた「how beautiful you are」や「Hello new me」と対照的に、「mimosa」では自分を鼓舞するように歌うayu。彼女もまた千明と同じく、大人になっても消えない愛おしいほど青くさい焦燥感を、自分の中に見ているのだろう。
小泉今日子の、そして、ayuのファイターな実人生が、ドラマとも主題歌とも重なることで、「よし、私もやっていくぞ!」と、毎週多くの視聴者が密かに勇気を奮い立たせているはず。ドラマ第二期から第三期までの11年の間には、坂口憲二(和平の弟役)が突発性大腿骨頭壊死症を患い、俳優業を休止するという出来事もあった。彼が今回連ドラ復帰を果たしたことも、人生の悲喜交々として物語により一層の味わいをもたらしている。
「mimosa」のMVは、純粋にayuの作品として作られたものだが、これがまた素晴らしい仕上がりとなっている。過去のジャケットが展示された架空の“ayu美術館”を、今のayuが巡り、若き日の自分と対面していくというストーリー。ジャケットに手を触れると、まるで生きているように当時のayuがふわりと動くのにはドキッとした。その時代にたしかにあった希望、絶望、歓喜、苦悩……それらを感じながら、今のayuがあどけなさの残るayuに微笑みかける姿に“ぎゅっとなる”。
ところで「mimosa」というタイトルは何を意味するのだろう。“感謝”、“友情”、“密かな愛”など、国によって様々にある花言葉を思い浮かべてみたが、どれも当てはまるようで、実はそんなありきたりの発想からのネーミングではない気もする。何かにつけて謎を残すことが好きなayuのこと、質問してもきっと、「ふふっ、全部は教えなーい」といたずらっ子の表情でかわすだろう。『続・続・最後から二番目の恋』の今後の展開を楽しみにしながら、タイトルのこと、MVが表現しているものなど、しばらく「mimosa」の謎解きに興じてみたい。
※1:https://www.fujitv.co.jp/nibanmeno_koi/news/news01.html
■リリース情報
シングル「mimosa」
2025年4月8日 デジタルリリース
配信リンク:https://ayu0408.lnk.to/mimosa
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