Vaundy、back number、Da-iCE、tuki.……春ドラマで楽しむ主題歌と作品の化学反応
現役の医師でもある小説家・知念実希人による原作をドラマ化した『天久鷹央の推理カルテ』(テレビ朝日系)。“医療版シャーロック・ホームズ”というキャッチコピーの通り、超越した頭脳と鋭い洞察力を持つ診断医・天久鷹央が病気の原因を解明していくストーリーだ。医療ミステリーながらもコミカルな描写も多い本作の主題歌は、Da-iCEの「Black and White」。妖しげなメロディに乗せて〈解き明かす謎の虜〉〈掴み行く 謎の向こう〉と歌われる同曲は、鷹央が“正しい診断”という真相に迫っていく様子とよくマッチしている。洒脱でミステリアスな雰囲気を醸し出すこの楽曲が、ドラマを盛り上げてくれそうだ。
視聴率が低迷した報道番組の制作現場を舞台に、キャスターの進藤壮一、総合演出の崎久保華、新人ADの本橋悠介が奮闘し、真実を追求して悪を裁いていくドラマ『キャスター』(TBS系)。主題歌はtuki.の「騙シ愛」で、彼女がドラマの主題歌を手掛けるのは今回が初となる。作中で「毎日がエイプリルフール」と進藤が告げているように、ドラマは登場人物たちによる騙し合いの連続。観る側もことごとく騙されていくようなめまぐるしい展開を見せるなかで、〈騙し合いのこの世界で/信じられるものを探す〉というフレーズが、登場人物や視聴者の心の叫びのように響く。何が本当で、何が嘘なのか。真実を知ったうえで、伝えるべきことは何なのか――。このドラマと、人がつく嘘やその裏にある愛を歌った「騙シ愛」を通して、深く考えさせられる者も少なくないだろう。なおtuki.は劇中歌「ストレンジャーズ」も提供。tuki.の楽曲とともに、さらに深みを増す物語に注目だ。
ドラマの世界観を際立たせる主題歌たち。楽曲単体で聴くのはもちろん、作品のストーリーを踏まえて聴くとまた違った面が見えてくるのもドラマと主題歌の魅力的な関係だ。ドラマと楽曲の化学反応も楽しみながら、ともに深く味わっていきたい。