日本のダンス&ボーカルの未来を切り拓く“TORA PROJECT”出身の才能 『2nd SHOWCASE 2025』レポート

中盤はトップバッター・Sodaiからソロステージへ

 中盤はソロステージへ。歓声に包まれて登場したトップバッターのSodaiは、ソロ曲「Shining days」を歌いながら、左へ右へ会場全体を巻き込んで盛り上げる。また、「『Nizi Project Season2』を見てくださった方は2年越しの再会なのですが、来てくださってありがとうございます!」「6月7日にTOKIO TOKYOにて初のワンマンライブが決定しました!」と、応援するファンに嬉しい報告も。最後にはファンや大切な人への想いを星のシリウスに見立てたという新曲「Sirius」を披露し、温かい歌声がやさしく会場を包み込んだ。

Sodai

 直後、物音もなくステージに現れた影が宙に手を伸ばすと、そこにいるのが誰か察知したファンが大きな悲鳴を上げた。EIJIが選曲したのはRain(ピ)「太陽を避ける方法(태양을 피하는 방법)」。『Nizi Project Season2』の韓国個人ミッションで披露した舞台が、2年越しに目の前で再現されている光景に、涙ぐむ観客もいた。

EIJI

 空気をガラッと変えたのは『TORA PROJECT』一期生であるYUITOのソロ「We ready」。彼が参加していたボーイズグループサバイバルオーディション『UNIVERSE LEAGUE』のタイトルソングを選曲し、これまでの軌跡を感じさせるYUITOは「ご存知でない方、今日僕の名前だけでも覚えて帰ってください!」「『UNIVERSE LEAGUE』で投票してくださった皆さま、ありがとうございます! これからも夢に向かって頑張ります! 応援してくれますか?」と、ファンとの交流を楽しんでいた。

YUITO

 次に披露されたのはEIJI、Salajin、YUITOによるジャスティン・ビーバーの「Baby Feat. Ludacris」。同カバーはYouTubeでも好評だったというが、EIJIとYUITOのラップスキルはもちろん、Salajinのボーカル力にも多くの注目が集まっていたパフォーマンスを生で見られたことに、喜びを覚えたファンも多いのではないだろうか。

Salajin

 本公演では、豪華ゲストによるステージも目白押し。まずは、タイ・バンコクで展開するSony Music Entertainment (Japan) Inc.のアーティスト育成プログラム『BASKETPROJECT』所属のTHAI TRAINEEのKaofang、Meedee、Oei。「今日のために頑張って日本語を勉強してきました」と話すのは15歳のMeedee。16歳のOeiは「日本が大好きです」、同じく16歳のKaofangも「日本で友達を作りたいです」と意気込んでいた。それぞれ日本語で一生懸命に思いを伝えた。彼女たちは、RAPや振付も自分たちで手がけたというオリジナル楽曲「To the Sky High」「Pop Pop Boom Boom!」の2曲を披露。元気いっぱいのパフォーマンスに、観客からは「かわいい!」という声や温かい拍手が送られるなど、会場は終始和やかなムードに包まれた。

BASKETPROJECT(Kaofang、Oei、Meedee)

 続くゲストは、『TORA PROJECT』(AKIRA)や『PRODUCE 101 SEASON2』(KOUKI)、『BOYS PLANET』(DIEN、RIKU)、歌手・俳優(SAERON)、練習生出身(ISAAC)の、日本人メンバー3人と韓国人メンバー3名(米国籍1名含む)からなる新人グローバルボーイズグループ・KJRGL(カジャーグル)。ライラックとブルー・グレーのコンビネーションカラーに身を包んだ6人のメンバーが舞台に登場し、「prologue~the deepest blue」「overture~the blue wave」の2曲を披露。加え、観客からの暖かい声援をに応え、4月23日にリリース予定の1stミニアルバム『Cloud_Six』から「Generation_Cloud」を披露。会場全体に鮮烈な印象を残した。

KJRGL

 『TORA PROJECT』のダンス分野の核を担っているのが、世界的に活躍するダンスアーティスト・GANMIのSota(総合演出も担当)とKazashiだ。Yuukiを除く10名での出演となったが、今回は練習生とのコラボも実現。二期生のRennosukeはGANMI「M.L.N.D (feat. Aile The Shota)」を、EIJIはGANMI「AGE (feat. Aile The Shota, eill)」を披露した。中でも、EIJIの名前とかけているのか、サビの〈AGE〉(エイジーイー)ではKazashiとセンターで踊っていたEIJIにピンスポットが当たる遊び心も楽しい。

Sota(GANMI)



 最後のゲストは、EŽ-TØRA。グローバルな活躍を目指して動き出したクロスカルチャーガールグループで、イギリス出身のNya、Milaと練習生のAi、CHILLからなるユニットだ。AiとCHILLがまずステージに登場しラップナンバー「I’m the one」を披露、その後「国境を超えてAiとCHILLを2人の少女に導いた」「彼女たちはいま猫からトラへと進化する」――そんな文字がスクリーンに浮かんでは消え、何が始まるのかとワクワクしていると、4人のオリジナルナンバー「Tiger」「Back Stage」「SAME SAME」と怒涛の規格外のパフォーマンスが繰り広げられた。昨年の『1st ShowcaseSHOWCASE』でも2人でパフォーマンスしていたAiとCHILLだが、今回さらにパワーアップした姿を見ることができたように思う。

EZ-TORA(Ai、Nya、mila、CHILL)

 その後も『TORA PROJECT』が誇るシンガーソングライターによるステージで、藤本藍(キーボード)とノア(パーカッション)のサポートのもと、Nikkiのソロ「You」「New day」、Yuraのソロ「Wherever you are」(ONE OK ROCK)、「lullaby」がしっとりと会場を染め上げる。

Nikki
Yura

 それだけでなく、Rei、COCORU、YUI amy、AOIによるカバー曲「再会(produced by Ayase)」(LiSA×Uru)の繊細なカルテットでは、交差する難しいメロディラインの移り変わりもしっかりとバトンを繋ぐ。筆者が個人的にクオリティの高さに驚いたのは、BABYMONSTERの「DRIP」(sae、Rei、Nikori、Oumi、NEIRO、ICHIKA、NOA)。ハイレベルなカバーは、一目見れば細部に至るまで研究し尽くし、数え切れないほどの練習時間を重ねたことが伝わってくるものだった。

AOI、amy、COCORU、Rei

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