藤井 風はなぜ海外フェスで求められる? バイラルヒットやツアーで着実に積み重ねてきた“足掛かり”
これらの要素を兼ね備えているため、海外のフェスにもブッキングされて当然と言えるだろう。しかし彼は、この状況を一朝一夕で手に入れたわけではない。普段から英語を使ってSNSで積極的に発信していたり、海外リスナー向けに公式に楽曲の英語訳を掲載していたりと、常に海外を視野に入れて活動していた。加えて、海外アーティストによるリミックスや、DahiやA.G.クックといった海外プロデューサーとの共同作業を経た作品を果敢にリリースしてきている。こうした海外向けのクリエイティブ面があるからこそ、ワールドワイドなリスナー層からの注目が集まっている。
また、今年に至るまでに日本国内だけでなく、アジアや欧米にて単独公演の実績を積んできたのも大きい。藤井が初めて海外で公演した2023年のアジアツアーは7都市11公演。続いて2024年にはアポロ・シアター、ユナイテッド・シアター・オン・ブロードウェイを巡るアメリカツアーを開催している。また、同年のアジアツアーでは、10都市14公演と前年よりも多くの都市を巡り、自身の音楽を各地のファンに届けた。このような海外公演での地道なステップアップを経て、この夏、藤井は多数の海外の音楽フェスのステージに立つ。もちろん海外フェスに参加するためだけにこのような行動を取ってきたわけではないだろう。自然と選んできた行動の積み重ねが、現在の状況に繋がっているのだ。
藤井 風が今年海外の観衆に迎えられる光景は、これまで彼が取ってきた選択に対する答えと言えるだろう。全編英語詞による新作アルバムの完成も待ち望まれている。新たな作品やライブパフォーマンスなどを通して、さらに広がっていく今後の活動に注目したい。