BILLY BOO、新曲「ラプソディ」で異例の快進撃 全国57局パワープレイ選出の理由、『謎ディ』との共通点とは?

 仙台出身の4ピースバンド、BILLY BOOの新曲「ラプソディ」が全国57局のラジオ局でパワープレイに選出され、話題を集めている。

 「ラプソディ」は6月4日にリリースされるシングルの表題曲で、TVアニメ『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)のエンディングテーマ。負の感情を気持ちよく吹き飛ばしてくれるようなポップチューンに仕上がっている。初のアニメタイアップ、そして全国57局のパワープレイを獲得したことで、幅広い層のリスナーの耳に届くことは確実だ。

 実際、配信リリースを前にしてBillboard JAPANの総合ソングチャート『JAPAN Hot 100』(4月9日付)に初登場を果たし、ラジオ指標では堂々の1位を獲得するという異例の快挙を達成。本格始動から1年足らずではあるが、BILLY BOOの存在は多くの音楽ファンに共有されることになりそうだ。

 BILLY BOOの活動がスタートしたのは2024年5月だが、メンバーが出会ったのは学生時代。地元・仙台を中心にバンド活動を行っていたが、コロナ禍に入ったタイミングで活動が停滞し、ここでいったん解散することを選択し、ボーカルのKAZUKI UJIIEは、ソロ活動を開始。2年半後に行われた初のソロワンマンライブの際にメンバー3人(KEI/Gt、MITSU/Ba、RIKIYA/Dr)に声をかけ、これがBILLY BOO結成のきっかけになったという。紆余曲折を経て、再びバンド活動をともにすることを決断した4人。1度挫折を味わっているからこそ“バンド”という形態への思いは強いはずだ。

 BILLY BOOの音楽性をシンプルに説明すると、ブラックミュージックを軸にしたミクスチャーサウンドということになるだろう。根底にあるのはヒップホップ、R&B、ソウルミュージックなど。そこにJ-POP、J-ROCKのテイスト、メンバーそれぞれの志向が絡み合い、独自のバンドサウンドへと昇華されている。アレンジや音像は曲によってかなり異なるが、共通しているのはメロディのよさ。洗練された構築美と、自由奔放な手触りがバランスよく共存した旋律は、このバンドのカラフルなポップネスに繋がっていると思う。

BILLY BOO - 逆光【Official Music Video】

 KAZUKI UJIIEの個性溢れるボーカルもこのバンドの大きな武器。幅広いグルーヴに対応しながら、しなやかなフロウと豊かな感情表現を放つ歌声からは、彼がすでに独自のスタイルを獲得していることが伝わってくる。瑞々しい少年性から大人っぽい声質まで、曲に合わせて表情が変化するのも、KAZUKI UJIIEの魅力だ。

 昨年「一目惚れmidnight」「Fake Lover」「レンズ」と次々と配信シングルを発表してきた彼らは、今年2月に初のEP『逆光』をリリース。新曲の「逆光」「サイレン」では強靭なグルーヴを全面に押し出し、ロックバンドとしての存在感をアピールした。個人的に特に印象的だったのは「逆光」の歌詞。これまでの楽曲は恋愛がテーマになることが多かったが、「逆光」では自らのリアルな感情、葛藤や不安がストレートに表現されているのだ。また「レンズ」はABEMAの恋愛リアリティーショー『キミとオオカミくんには騙されない』のBGMとして起用され、Spotifyバイラルチャートで6位にランクイン。ストリーミングでも確実に数字を伸ばしている。

BILLY BOO - レンズ 【Official Live Video】 / ABEMA「キミとオオカミくんには騙されない」BGM

 そして前述した通り、新曲「ラプソディ」が全国57局のラジオ局でパワープレイされることが決定。新たな飛躍のきっかけになるであろう「ラプソディ」の魅力を紐解いてみたい。

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