PSYCHIC FEVERが世界中のハートを射止める日もすぐそこに 大反響の『SXSW 2025』出演レポ

PSYCHIC FEVER『SXSW 2025』出演レポ

 そんな中での出演となったPSYCHIC FEVER。イベント出演発表時にはイベントの公式より「the electrifying J-Pop group PSYCHIC FEVER.(衝撃的なJ-POPグループPSYCHIC FEVER)」と発表されており、『SXSW』からの期待を一身に背負っての登場となった。

 13日の『GREATER TEAM DAY STAGE』では、会場はSXSW2025のメイン会場の一つで、特に人通りが多いAustin Convention Centerすぐそばの屋外ステージでのパフォーマンスとなった。この日はステージサイズの関係で踊らず歌のみで、普段とはまたひと味違ったステージを届けた。「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」で幕を開けると、「What's Happenin'」では観客と目を合わせながら〈What's happening?〉の掛け声を促していく。観客との距離が非常に近いからこそ、“一緒にステージを作り上げていこう”とするような想いが垣間見えた。「Paradise」「Temperature」「Rocket」を経て、「Psyfe Cypher」「Tokyo Spiral」では力強いラップリレーが炸裂。「SH♡TGUN」「Highlights」「SPICE」と会場を盛り上げていくと、渡邉廉のビートボックスに乗せて再び「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」のワンフレーズを観客と歌い上げ、そのまま楽曲に突入して終始一体感のあるステージを繰り広げた。

 そして迎えた、14日の『Friends From The East Showcase』。メンバー紹介を兼ねたオープニング映像が流れると、フロアからはたちまち大歓声が上がり、グループ名を連呼する声も聞こえてくる。満を持してステージに登場したメンバーは、先日行われたアメリカツアー『PSYCHIC FEVER FIRST US TOUR 2025』でもオープニングを飾った「TALK TO ME NICE」でライブをスタート。響きわたる重低音に乗せてキレキレのダンスを見せ、前日とはまた異なる迫力満点のステージを届けた。

 コール&レスポンスで会場をひとつにした後は「RICH & BAD」へ。しなやかな体の動き、瞬時に切り替わるフォーメーション、そして、時に笑顔を振りまきながら観客を楽しませる姿からは、7人のステージに懸ける気合が伝わってくる。

 前日のステージでも披露された「What's Happenin'」では、フロアからシンガロングが発生。アメリカツアーのリード曲でもあった「Paradise」で観客を心地よく揺らせると、「Bitter Sweet」ではステージを端から端まで移動して、しゃがみこんだり、手を左右に振ったりして観客とのコミュニケーションを楽しんでいた。

 「Bitter Sweet」で生まれた甘いムードを保ちながら「Temperature」を披露した後は、渡邉、小波津志、WEESAによる遠距離恋愛をテーマにした楽曲「Rocket (Take You Higher)」へ。3人はステージを自由に動きながら歌声を届け、途中で小波津がムーンウォークを披露して場を沸かせる一幕もあった。続いて、JIMMYとWEESAが「Perfect」を届けると、2人の力強い歌声とジャージークラブのビートが観客の高揚感を誘う。渡邉を加えて「Highlights」へ繋げた後は、剣、中西椋雅、JIMMY、半田龍臣による「Psyfe Cypher」へと突入。各メンバーの熱いラップと、その熱に応える大きな歓声が会場を満たしていた。

 再び7人がステージに勢ぞろいすると、届けられたのは「Love Fire」。7人の息の合ったパフォーマンスが、会場のボルテージをまた一段と高めていく。JIMMYが「Everybody, clap!」と煽ったのを合図に大きな手拍子が沸き起こると、楽曲は「BEE-PO」へ。終始続く歓声の中、顔を見合わせながら生き生きとした笑みを浮かべる7人からは、このステージを存分に楽しんでいることが感じられた。

 「One more song!」「Last song!」とメンバーが口々に告げた後、「Are you ready? put your hands up!」と左手を高く挙げたのは渡邉。そのまま得意のビートボックスで会場を盛り上げ、昨日と同じように、彼が作り出すビートにメンバーが「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」のフレーズを重ねていく。続いてお馴染みのイントロが流れ出し、ステージのラストを飾ったのはもちろん「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」だ。昨年、世界各国のチャートを賑わせたこの曲の盛り上がり具合は言うまでもなく、大きなシンガロングをはじめとした熱狂を生み出して、PSYCHIC FEVERは初の『SXSW Music Festival』のステージを終えたのだった。

 2月にアメリカツアーを終えたばかりだが、ツアーでのステージをまたひとつ更新するような、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了したPSYCHIC FEVER。ツアーと比べると今回のようなイベントは短いパフォーマンス時間ではあるが、曲の繋げ方や構成にも毎回工夫が見られる。そうやって一つひとつのステージにおいて細かい部分までこだわっているからこそ、彼らは世界各地のファンの心を射止めるのだろう。

 今回のショーケースを観たのはたまたま通りがかっただけでPSYCHIC FEVERのことを全く知らないというSXSW参加者も多く、男女比はおよそ3:7、年齢層も20〜30代が中心と普段のライブとは異なったアウェーな環境でのパフォーマンスとなった。しかし、そんな緊張感は全く感じさせず、ライブを観た現地の音楽関係者も「観客の求めていることを自然に感じ取り、すぐにパフォーマンスに反映させる瞬発力がある。環境が十分でない中でも、ベストを尽くそうと取り組む姿勢に感動した」「型にはまっただけのパフォーマンスでなく、自分たちも楽しみながら場を盛り上げる力があり、今のままのパフォーマンスを続けていけば今後世界中のより多くの人に愛されるグループになるはずだ」というような声が寄せられている。PSYCHIC FEVERは今年の2月にUSツアーを成功させ、LDH Recordsからワーナーミュージック・グループ内の音楽レーベルである10K Projectsへの移籍を発表したところ。アメリカでの活動はこれからも加速していくことが期待されている。そういった状況での今回のSXSW出演はグループにとって大きな意味をもたらしたはずだ。グループとして常に進化を遂げていくPSYCHIC FEVERから、今後も目が離せない。

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