なとり、音楽とイラストの相乗効果から生まれる“創造性の循環” 初の画集『鏡面』&記念展から紐解く
『鏡面』を手にする/鑑賞する/想像力を刺激されるという行為。その身体性をさらに拡張してくれるのが、現在、代官山 蔦屋書店で開催されている『【記念展】なとり 画集「鏡面」』だ(3月25日まで開催中)。
この記念展で最初に目を引くのが、『鏡面』に収められたイラストレーションの複製ポスターの展示。額装されたポスターには“絵画”としての雰囲気が備わっていて、時間をかけてじっくりと鑑賞したくなる。なとりのファンはもちろん、参加しているイラストレーター/クリエイターのレイアウト(イラストの配置や順番)にはなとり自身も関わっているので、蔦屋書店に足を運ぶ方はぜひ、その意図にも思いを巡らせてほしい。
特筆すべきは、ハチナナ、オドリ、DEPPAの3名によるライブペインティング。店内にモニターを設置してクリエイター3名のiPadとZoomでつなぎ、共同で1枚のイラストを完成させるまでの制作過程をリアルタイムで目撃できるという企画だ(イラストレーターはリモートで参加)。なとりの楽曲にインスパイアされた3名が、どんな絵を生み出すのか。まさに必見のイベントと言えるだろう。
会場には“自由帳”も設置されていて、来場者がメッセージを書き残すことができる。ノートの表紙には「はじめまして、なとりです。僕の音楽を通して生まれた気持ちをこのノートに書き残してください。」という自筆の言葉。筆者は開催初日の昼間に現地を訪れたが、すでにノートの半分くらいが埋まっていて、なとりの音楽と出会ったときのエピソードや“なとり先生”宛の手紙のような文章を記している人も。なとりとファン、そして、ファン同士のコミュニケーションの場としても機能しているようだ。
その他、アナログのミニテレビを使ったMV放映も見どころ。さらに画集『鏡面』も数量限定で再販売され、画集の表紙イラストを使用したオリジナルクリアファイル、ポストカードといった限定グッズの販売も行われるほか、なとりのライブグッズも数量限定で販売されている。
画集『鏡面』、そこから派生した記念展はもちろん、なとりだからこそ成立する企画だ。もともと彼自身がインターネットで活動するイラストレーター/映像クリエイターに強い興味を持っていて、活動をスタートした当初から、楽曲と絵の融合を意識的に行ってきた。その一つの集大成が『鏡面』であり、今回の記念展なのだと思う。
なとりは5月から6月にかけて全国ツアー『ONE-MAN LIVE TOUR「摩擦」』を開催する。手に取って鑑賞できる画集『鏡面』、それを“場”として共有できる『【記念展】なとり 画集「鏡面」』、そして、彼の音楽を生で浴びることができるライブツアー『摩擦』。これらのプロジェクトを通し、なとりの音楽表現を、聴覚、視覚、触感をフルに使って味わい尽くしてもらいたい。
◾️イベント概要
『【記念展】なとり 画集「鏡面」』
・会場:代官山 蔦屋書店 1号館2階 音楽フロア
・会期:2025年3月12日(水)~2025年3月25日(火)
・時間:営業時間(9:00〜22:00)※2025年3月25日(火)のみ17:00まで
・主催:代官山 蔦屋書店
・共催:株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
・問い合わせ先 代官山 蔦屋書店(03-3770-2525)
◾️商品概要
なとり 画集『鏡面』
2025年3月12日(水)発売
価格:3,850円(税込)
品番:SSZS-44130
本文72ページ、書き下ろしイラスト+テキスト見開き、手紙封入、シリアルナンバー刻印
※イベント期間中は代官山 蔦屋書店のみで購入可
◾️ツアー情報
『なとり ONE-MAN LIVE TOUR「摩擦」』
2025年5月9日(金)愛知 Zepp Nagoya
開場 18:00 / 開演 19:00<SOLD OUT>
2025年5月17日(土)大阪 Zepp Osaka Bayside
開場 17:00 / 開演 18:00<SOLD OUT>
2025年5月18日(日)福岡 Zepp Fukuoka
開場16:00 / 開演 17:00<SOLD OUT>
2025年5月22日(木)東京 Zepp DiverCity
開場18:00 / 開演 19:00 ※追加公演
2025年5月23日(金)東京 Zepp DiverCity
開場 18:00 / 開演 19:00<SOLD OUT>
2025年6月1日(日)北海道 Zepp Sapporo
開場 17:00 / 開演 18:00
◾️ライブ情報
『なとり ONE-MAN LIVE at 日本武道館 2026』
2026年2月19日(木)日本武道館
開場 17:30 / 開演 18:30