櫻坂46 的野美青、表現者として才能開花 三期生曲「Nightmare症候群」MVでの鋭い視線

 的野は櫻坂46の最年少メンバーとして加入し、8thシングル『何歳の頃に戻りたいのか?』以降の全てのシングル表題曲で選抜入り。初選抜となった「何歳の頃に戻りたいのか?」では3列目のポジションだったが、そこからメキメキと成長を遂げて、「I want tomorrow to come」ではフロントメンバーに大抜擢された。この1年で最も成長したメンバーを1人挙げるとするならば、きっとそれぞれ思い思いのメンバーが何人か思い浮かぶかもしれないが、的野の名前を挙げる人も多いはずだ。

櫻坂46 的野美青『青焔』

 筆者個人として、彼女が作品のコンセプトを体現する能力に秀でていることを感じたのは、7thシングル『承認欲求』に収録されている個人PV「青焔」だった。同映像はP.I.C.S.が制作し、マイ(P.I.C.S. management)が監督を務めており、マイは「的野さんの“咲こう”としている様、まだ完全に強いわけではなくそれでも“強くあろう”としている様を、まだ加入から一年経っていない3期生であり、今の的野さんだからこそできる表現をしたいと思い、企画しました」(※1)と構想を明かしている。素朴な歌声から感じるポテンシャル、対照的な2つのキャラクターを可憐なダンスと表情で見せる映像は、的野が表現者としていかに優れているのかを示すには十分な素材だった。

 2023年に行われた『新参者 LIVE at THEATER MILANO-Za』では、「思ったよりも寂しくない」や「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」といった複数の楽曲でセンターを務めた。『7th Single BACKS LIVE!!』では「半信半疑」でセンターに立ち、大人びたクールな表情でファンを虜にした。そんな的野のパフォーマンスに、大園玲は「私も個人的に本人にも伝えたことがあるくらい、的野の踊り方だったり表現の仕方は目を惹きつけるものがあると思っていて。ステージのどこにいても見ちゃうくらい、すごく素敵なんです。例えば、楽しい曲において笑顔ひとつにしても、その種類がどんどん増えている」(※2)と語っており、メンバーから見ても的野の成長は確かなものとなっている。

 実際に彼女の表現力の幅はライブごとに進化を遂げており、観客を魅了するパフォーマンスにはより深みが増している。「半信半疑」では、楽曲の持つ切なさや葛藤を繊細な仕草や視線の動きで体現し、その完成度の高さはファンの間でも話題となった。メンバーだけではなく、ステージを観た人々に強い印象を残す彼女の表現力は、グループの中でも確固たる存在感を放っていると言えるだろう。「UDAGAWA GENERATION」のパフォーマンスにも言えることだが、コンセプトに忠実なだけではなく、魅せるところはしっかりと魅せる、その絶妙な判断における潜在的な意識が的野には根付いているように感じるのだ。どこにいたとしても的野の存在を認識できるダイナミックなダンスパフォーマンスは、今では櫻坂46にとって欠かせないものとなっている。

 ライブのような開かれた空間ではダンスが映えそうなだけに、大きな会場で披露される「Nightmare症候群」が楽しみでならないのはもちろん、まだまだポテンシャルを秘めている的野の成長を楽しみに見届けたい。

※1:https://www.pics.tokyo/works/mio-matono_seien/
※2:https://realsound.jp/2024/02/post-1578783.html

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