2025年のアイドルシーンは“カワイイ”+αが必須? きゅるりんってしてみてが持つクセになる魅力
2024年にブレイクした女性アイドルグループと言えば、超ときめき♡宣伝部とFRUITS ZIPPERの2組の名前を挙げる人が多いだろう。超ときめき♡宣伝部は、昨年末にさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブを開催。チケットはソールドアウトに。一方のFRUITS ZIPPERは、昨年秋に初の全国ホールツアーを開催して、約4万人の動員を記録。両グループともに着実にステップアップし続けており、2025年はさらなるブレイクが期待されている。そんな2組に共通して言えることは、衣装や楽曲など“カワイイ”に特化しているという点ではないだろうか。
昨今のアイドルフェスやアイドルイベントのラインナップを見ていると、まだしばらくは、この2組に追随する動きが続きそうな気配がある。お祭り系アイドルユニットのFES☆TIVEは新体制となり、2月にシングルをリリース。10周年を迎えた猫耳がトレードマークのわーすたも、同じく2月にシングルをリリース。また昨年“奇跡の一枚”でバズった中川心が所属するあまいものつめあわせは、今月初ワンマンライブを開催。キャリアは違えど、これらのグループも大きく括れば同じ系譜だと言ってもいいだろう。そんな今の流れに乗って、衣装や楽曲などでは“カワイイ”に全振りしつつも、各グループの運営はカワイイ+αの要素を模索しているようにも思える。
そんな中、昨年12月に新曲「♡♡♡わんだーらんど」(読み:ちゅちゅちゅわんだーらんど)のMVを公開した4人組アイドルグループ・きゅるりんってしてみて(通称:きゅるして)が今、じわじわと注目を集め始めている。ユニークでありながらも、覚えやすく親しみやすい印象を与える不思議なグループ名。結成は2021年、グループのコンセプトは女の子の“カワイイ・リアリズム”の追求だ。今回はそんなきゅるしてが持つ、カワイイ+αの魅力に迫ってみたい。
まず、楽曲に注目してみると、ここ数年のリリース楽曲では「ツインテールは20歳まで♡」、「らぶきゅん♡うぉんてっど」、「しゅーぱーめるてぃらびゅふれーばー♡」など、キュートな歌詞とキャッチーなメロディで“カワイイ”に振り切った印象の楽曲が多い。各楽曲のMVでも“カワイイ”要素が前面に打ち出されており、まさに“カワイイ・リアリズム”への追求を体現しているアイドルグループだ。
中でも、清 竜人が作詞・作曲・編曲を手がけた2023年リリースの「ツインテールは20歳まで♡」で彼女たちを知ったというアイドルファンも多いだろう。公式YouTubeで、この曲のMVは275万回再生を記録。また、昨年TikTokでバズった楽曲「きゅるりんしてみて」の『本人たちが踊ってみた』動画は363万回再生を突破し、現在も再生数を伸ばし続けている。タイトルや歌詞の中にグループ名の一部「きゅるりん」を盛り込んでいることもあり、ファンとの一体感を生み出すライブでの人気曲だ。