tuki.、マカロニえんぴつ、Aimer、TK from 凛として時雨、でんぱ組.inc、LIL LEAGUE……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はtuki.「月面着陸計画」、マカロニえんぴつ「然らば」、Aimer「SCOPE」、TK from 凛として時雨「UN-APEX」、でんぱ組.inc「W.W.D ENDING」、LIL LEAGUE「刺激最優先」の6作品をピックアップした。(編集部)

tuki.「月面着陸計画」

tuki.「月面着陸計画」

 「お父さんと、お父さんの友達と、usagiさん(@tuki_usagi_0929)と月面着陸計画という自主レーベルでどこまで行けるんだろう?」とtuki.自身が公式X(旧Twitter)でポストしてから約8カ月。15歳を迎えるまでに作った楽曲で構成された1stアルバム『15』に、彼女は自らのレーベル名をタイトルに冠した楽曲「月面着陸計画」を収録した。まるでロケットが飛び立つような勢いに溢れたイントロ、重力から解き放たれるがごとく広がっていくメロディライン、〈地図のない宇宙を行こうよ/夢を夢のままにしないで〉という歌詞。この楽曲に込められているのtuki.自身が抱えている「音楽と一緒にどこまでも進んでいきたい」というピュアで真っ当な思いだろう。そう、「晩餐歌」でブレイクを果たした彼女はここから、さらなる飛翔を果たすことになるはずだ。(森)

マカロニえんぴつ「然らば」

マカロニえんぴつ「然らば」

 TVアニメ『アオのハコ』(TBS系)第2クールOPテーマとなる書き下ろし新曲。青春部活ラブストーリーというのは近年のアニメではやや珍しいと思うのだが、一人では成立しない、複数名がままならない気持ちをぶつけ合いながら夢を共有していくバンドの姿は、主題歌としてもおあつらえ向きだろう。通常なら楽曲に多彩な音色をつけていく長谷川大喜(Key/Cho)の出番は控え目、熱量と疾走感を前面に押し出した楽曲は、作者はっとり(Vo/Gt)が描く「ギターロックの夢」そのものか。〈あなたの生き方や夢を追いかけていたい〉という直球の歌詞、さらにはディストーションをたっぷり効かせたギターソロなど、いつも以上に青いマカロックがここに誕生。(石井)

Aimer「SCOPE」

TVアニメ「天久鷹央の推理カルテ」オープニングムービー|Aimer「SCOPE」

 Aimerのアッパーチューンはとてつもなく気持ちいい。「SCOPE」はそのことを改めて実感できる楽曲だ。医療ミステリー逆転劇の人気小説を原作としたTVアニメ『天久鷹央の推理カルテ』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマのこの曲は、速弾きのギターリフ、アグレッシブな疾走感を備えたビートで幕を開ける。真ん中にあるのはもちろん、Aimerの歌。濃密さとしなやかさを併せ持ったボーカリゼーションはやはり格別だ。響きの良さをしっかりと感じさせてくれる歌詞、楽曲に彩りを加えるホーンセクション、スリリングに展開するバンドサウンドを含め、音と言葉と旋律が生み出す2分55秒の快楽を心ゆくまで味わってほしい。(森)

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