ExWHYZ、激動を乗り越えて打ち上げた“始まり”の狼煙 新編成で迎えた『HOPE』ツアーファイナル

ExWHYZ『HOPE』ツアーファイナルレポ

 アンコールの「Shall We」と「present」を終え、メンバー一人ひとりによる最後の挨拶へ。「このツアーが始まる前、私はいいツアーになるなと思ったの。来てくれるみんな、チームのみんな、メンバーのみんなを漠然と信じることができた」とmikina。yu-kiは「みんなとこうやって過ごす時間が幸せすぎるから歩みを止められません」と力強く宣言した。mahoの「これからがすごく楽しみになりました!」という言葉にも実感がこもっている。メンバーが休養したり、脱退してしまったり、それは起こりうることではあるけれど、だからといってもちろん簡単に乗り越えられることではない。だが、きっとこのツアーを通して、4人は確かな手応えと希望――“HOPE”を見出したのだろう。

 そして最後にフロアに語りかけたのはmayu。「5カ月サボってたんで、思うように体が動かなくて。やっぱり無理なのかなって思っちゃう時もあった」と正直な気持ちを吐露しながら、でも「ステージに立てば目の前にみんながいて。みんなと向き合うってことが私にとって前を向くってことなのかな」と力強い言葉を口にする。そう、目の前のマスターと向き合い、あるいはメンバーや自分と向き合い、前に進んでいく姿勢こそが、今のExWHYZの強さだ。そんなMCから披露された「ドラマ」では、4人の子どもの頃の姿に始まり、これまでのグループの軌跡を辿るような写真が次々とスクリーンに映し出される。そこには4人はもちろん、midorikoやnowの姿もあった。〈枯らさないでくれと 降り注ぐエール/届いてる胸に だから応えたい〉――4人の歌からは感情が溢れ返っている。最後に現れた彼女たちの名前を繋ぎ合わせたロゴと「Dance Your Dance」の文字に至るまで、すべてを抱きしめて前に進み続けるExWHYZの姿を鮮やかに描き出すようなパフォーマンスに惜しみない拍手が送られたのだった。

 そんな“これからのExWHYZ”の始まりを高らかに告げたのが、アンコールの最後に披露された新曲「SHOWTIME」だった。アグレッシブなミクスチャーロックのサウンドに乗せて、4人の情熱が放たれる。振り付けの中でmahoが披露したロンダートも、チャレンジを続けていくよというExWHYZからのメッセージだと思った。そして曲を終えると、早くも5月から始まる次のツアーの日程が発表される。ツアータイトルは『(unfinished) odds and ends』。「odds and ends」は“ガラクタ”とか“残りもの”という意味。「だとしても終わらないよ」という意味だと受け取れるカッコつきの「(unfinished)」が、ExWHYZの意思表明だ。

 想いをマスターと分かち合う「えいえいおー」の唱和でライブは終了。最後にはSeihoによるツアーのテーマソングが流れた。そこにも「続けていく決意」がはっきりと示されていた。そう、ExWHYZは当然のように続いていく。変わるものもあるが、それでも変わらないものもたくさんある。2025年はExWHYZにとってもう一度ロケットスタートを決める年だ。mahoが言っていた「始まったばかりですから、これから何をしたいと思っていくのか、みんなとどんな景色を見るのか。そこでまたみんなと巡り会えたら嬉しいなと思います」という言葉の通り、目の前に広がる景色に大いに期待しながら、また会う日を心待ちにしたいと思う。

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