MACO、人生を慈しむように届けた愛の歌 2年半ぶりのワンマンライブは真っすぐな想い溢れる空間に

 「朝もお昼も夢の中も」をきっかけに、ライブはより一層、会場全体で盛り上がっていくターンへ突入。ピンクのデニムと黒いラグランTシャツに変身を済ませたMACOも、盛り上がり尽くす気満々といった様子だ。クラップの音が会場を満たした「交換日記」、〈ゆらゆら〉のシンガロングが煌めいた「YURA-YURA」、客席にマイクを向けて一体感を生んだ「バレバレ」と、チームワークを感じるステージが作り上げられていく。王道J-POPサウンドの「恋の道」では、彼女が手を差し伸べるたびに、歌の魔法が広がっていくような感覚に。伝道師として、歌声で愛のパワーを振りまいていった。

 そんなMACOも今年でメジャーデビュー10周年という節目を迎え、いろいろと思うことがあったよう。「日本はいろんな呪いに縛られすぎね」と切り出すと、誰かが作った常識や普通でがんじがらめになってしまいがちな社会について胸の内を語り始める。そして、「好きに生きていいんだよ。自由でいいの」と伝え、〈心はずっと自由でいいんだよ〉と歌う「タイムリミット」を導いた。曲に込められたメッセージが真っすぐに飛んできたのは、彼女の本心がしっかりと乗っていたからなのだろう。畳みかけるように「夜明けがくるまで」「End Love?」と誘い、ラストスパートをかけていく。

 大トリを飾ったのは、“人との出会いもいつ死ぬかも運命で最初から決まっていたと思いたい”というMACOの想いが込められた「運命」。これまでの人生を慈しむように、目の前のファンに感謝するように、穏やかに声を落としていく。客席に向けられた温かな視線は、大きな愛を一人ひとりに送っているようだった。

 本編が終わると、ほどなくして「LOVE」の大合唱が沸き起こりアンコールへ。黒のミニスカートにピンクのTシャツを合わせた甘辛スタイルで、MACOは再び姿を現した。「LOVE」では“照れくさいけど みんなが好きよ”と歌詞をアレンジし、「MY LIFE, MY LOVE」ではキュートな振り付けを初披露。全24曲、約3時間にも及ぶ内容ぎっしりのライブを、全力で駆け抜けたのだった。

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