『ブレイクマイケース』初の大型イベント夜の部詳細レポ ライブや朗読劇で彩られたAporiaの世界へ

 2024年5月9日にリリースされ、2日後にはユーザーが100万人を突破するなど、その始まりから一躍人気アプリゲームへと躍り出た『ブレイクマイケース』(以下、『ブレマイ』)。11月にハーフアニバーサリーを迎えたばかりの『ブレマイ』が、『Kick Off Conference』と銘打ったイベントを開催。キャストが参加する大型イベントは初開催となったこの公演。1日で2公演開催された本公演の夜の部をレポートする。

 期待感に熱を帯びる会場にAporiaのメンバーたちの声が響き、イベントの注意事項がアナウンスされる。優秀だけれどどこか“外れた”従業員たちが揃ったAporiaは、ごく普通のカフェとして営業をしながらも、それ以外の時間をあらゆる“足りない”に応えるマルチ代行をする、そんな2つの顔を持っている。開演前のアナウンスでは、開演の準備をする強行部の相沢篠信、特務部の新名有、恩田灯世の声で注意事項が響く。

 イベントにカメラの撮影が入っていることを告げた灯世が「何か事情があって姿を隠して(イベントを)観覧したい場合はAporiaを通して依頼してくれ。対応する」と言うと会場から笑い声が沸く。「その場合、特務が担当になるのか」と尋ねる篠信、命を狙われている場合は強行部ではなく特務部で対応することになると灯世。するとここで篠信が“さすとく案件”と言葉を漏らす。これが「さすが特務部の皆さん」を略した言葉で、交際部の樋宮明星が考案した言葉で篠信たちの中でで流行っていると聞いた有が「灯世を笑ってるのか」と冷ややかな声を出す。「次に(明星と)シフトが被ったときに聞く」と言うと、会場は再び笑いが起きる。バックヤードでの彼らの素が見える開演前アナウンスだけで、会場はすっかりAporiaの空気となっていた。

中澤まさとも(隠岐谷誓役)
熊谷健太郎(槻本大河役)

 ゲーム画面から流れていたBGMが響くフロアに出演者が登場する。夜公演の出演者は交際部・環野揺役の寺島惇太、管理部・槻本大河役の熊谷健太郎、隠岐谷誓役の中澤まさとも、強行部・篠信役の広瀬裕也、特務部・有役の坂田将吾の5人だ。1人ずつの挨拶のあとにはそれぞれからのコール&レスポンス。寺島は「『ブレマイ』はプレイしているかなー?」、中澤の「SSRは欲しいかー!」には歓声が上がり、熊谷の「代理(ユーザーの呼び名)-!」には客席から「はーい!」と応え、広瀬は「夜の部から見るよーって人!」に蝶の形のペンライトが揺れ、坂田が「新名!」と叫ぶとフロアから「有!」と返る。そんなコール&レスポンスに満足気に笑顔となった5人。

寺島惇太(環野揺役)
広瀬裕也(相沢篠信役)
坂田将吾(新名有役)

 中澤の「ライブスタートです!」の声で、ステージは「PERSONAL SONG」のライブへ。最初に登場したのは篠信。楽曲のイントロのような朗読のあとに「眩影」が響き出し、軽快で爽やかなポップチューンを笑顔と共に歌い上げる。緑のレーザーが飛び交うステージで軽やかに歌い上げる広瀬の姿が印象的だった。

 続いたのは揺。言葉を落としていくような朗読から、そのまま爪弾かれる切なさ滲むギターの音で紡がれる「tiny steady」へ。寝落ちる前の微睡みのようなミディアムチューンを揺の柔らかな声で歌う寺島に静かに蝶の光が揺れた。ゲーム内で見られる映像と歌に綴られた彼らの想い、それを響かせる生の歌声による三位一体のコラボレーションは、ステージを見守る人たちが代理としてAporiaの面々と過ごす時間へと会場を変貌させていった。

 スクリーンに映し出されたのは「メリー・メロウ・ホリデイ」の文字。誓の甘い声がそのタイトルを読み上げると、ここからは朗読劇の時間に。Aporiaスタッフの、スタッフによる、スタッフのためのパーティーの準備をする篠信、有、大河、揺、誓。季節イベントをみんなで一緒に楽しもうというAporiaのパーティーの準備には、いつもカフェで客を迎えるのとは少し違うメンバーが集まっていた。

 冷静なメンバーが揃っているようで、想像以上にわちゃわちゃとしてしまうメンバー。つまみ食いする揺の可愛らしさ、甘やかす誓、楽し気に単純作業をする篠信はわいわいとおしゃべりしながら作業中。キッチンではオーナメント用のクッキーを作り足そうと作業をする大河と料理を仕込む有。ほか部署のメンバーにまつわる話も散りばめられ、Aporiaでの日常にほっこりとさせられる朗読劇だった。

 ここで出演者のトークへ。朗読劇の感想からクリスマスイベント『Blessings 願い降る聖夜に』の情報最速公開ではSR、SSRのカードイラストとYamajetが手掛けるイベント楽曲「Snowy Nights, Glowing Lights」が披露され、歓喜の声が上がった。会場で先行販売しているゲームBGMを集めた『ブレイクマイケース サウンドウェイブ・コレクション Vol.1』の告知に続いて、ステージに登場したバンドによる生ライブが始まる。パズルゲームである『ブレマイ』のゲームプレイ中に流れる楽曲を生バンドが響かせる。ホーム画面のBGMからライブは皇坂逢の「Flash of Night」へ。軽やかなクラップ音から呼ばれるようにストリングスの音とコーラスの音像で紡がれるダンサブルでファンクなナンバーに続いたのは、強行部の「Concrete Mirage」。部長の節見静の視線を思わせる硬質なエレクトロサウンドでシリアスにも熱く放たれる1曲に会場の蝶の光が揺れる。 

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