NEWSとヒロイズムの切っても切れない関係性 「チャンカパーナ」はグループにとっての“正解”に
ヒロイズムがNEWSの楽曲を手掛けるようになったのは、3rdアルバム『color』(2018年)のころから。「アルバムリリースしますってなったら、半分くらい(の楽曲)がヒロさん関わってる。出会ってからは!」と増田。なぜそれほど多彩な楽曲を提供できるのかという質問に対して、ヒロイズムは「NEWSのイメージも進化していってるし、それに合わせて書きたい曲も変わってくるんですよね」と答えていたのが印象的だった。
楽曲制作は「何かとの掛け算」だとし、何かがあれば「こういうのはどうですか?」というアイデアが常に出てくる。枯渇することはないのだと力強く語るヒロイズムだったが、そんな彼でも難しかったと振り返るのが4人体制として初のシングルとなった「チャンカパーナ」だった。
「当時は新たな出発、いろいろ背負ってるものがあったので。それを楽曲で越えていくみたいなプレッシャーもあったし。自分の中での正解とファンの方々が求めてるものと、当時はね4人のイメージとかいろいろあって。これが答えだってところまでわからなくて」と手探り状態だったそう。むしろカップリングに収録された「フルスイング」のほうが、「絶対コレだ」という自信を持てたとも。
その葛藤は、NEWSメンバーにもあったと増田も語り始める。「まっすぐな今の自分たちの思いみたいな。『ここで負けてらんねぇ』みたいな。本当の自分たちの気持ちの歌『フルスイング』で勝負するか。『チャンカパーナ』なにそれ、みたいな。でもああいうキャッチーな歌を何もふざけないでちゃんとカッコよくやり切るっていう、どっちで勝負する?」といった打ち合わせをヒロイズムも含めて何度も行なったのだそう。
「フルスイング」はその熱量がわかりやすくこもっていたことから、「間違いないな」という手応えはあった。一方で「チャンカパーナ」はフワッとしていて「もしかしたら失敗していた可能性もあった」とヒロイズム。しかし、現在ではアメリカでも知っていてくれる人がいるという「チャンカパーナ」。「リスクを取ったのは正解だった」「合ってたんだな」と今ならそう思えるという。
しかし、そんな“いい話”で終わらせたくなくなってしまうのが増田のチャーミングな部分。「でもまだわからないですけどね?」と茶化すと、ヒロイズムも「まだわかんない?」とドキッとした声色に。そのリアクションを楽しむように増田は、「(『フルスイング』を選んでいたとしたら)もっとスターだったかもしれないですよ、もしかしたら」なんて言ってニヤリと微笑むのだった。
さらに「フルスイング」「生きろ」など魂を込めて歌う楽曲をいくつも提供されたことについて、増田は「アレ1曲作ったら“久しくバラードしか作りません”モードに入ると思う。俺から『フルスイング』が出てきたら燃え尽きちゃって。もう燃えれるものは燃えちゃってるから」とリスペクトを込めながら、軽快に話を盛り上げていく。
そんな増田の発言にヒロイズムは「たしかに1日2曲、アレを作るのは厳しいかもね」と同意しつつ、「でも、作る必要性があれば。NEWSのドラマと。迫られれば作る」「『生きろ』のときも、アレを作らなければならない使命があった」と頼もしい発言を繰り広げた。
NEWSが紡いできたストーリー、そしてその物語を楽曲で支えてきたプロデューサーの言葉を噛み締めながら、NEWSの公式YouTubeチャンネル『にゅうちゅうぶ』の動画を人気順に並べ替えると、トップを飾るのが「チャンカパーナ」のオフィシャルMVであることに気づいて、また胸が熱くなった。
「これが正解なのか」と一緒に苦悩し、そして「アレがあのときの正解だった」と頷き、「でも、まだわからないよ?」と笑い合う。NEWSとヒロイズムは、そうしてこれからもともに歩み進めていくのだろう。そんな彼らが生み出す音楽が、ますます愛しくなりそうだ。
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