M!LK 山中柔太朗「1年目と10年目で歌うのは重みが違う」 初アリーナツアー前に実感している自分らしさ

 佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人からなるダンスボーカルグループ M!LKが、今年11月24日で結成10周年という節目を迎える。今年はすでに2枚のシングルをリリースし、M!LK史上最大規模となった全国ツアーを全公演SOLD OUTで完遂。充実した音楽活動に加え、この1年は特に、それぞれがタレントや役者としても着実に知名度を上げていて、活躍の場がどんどん広がっているという状況だ。

 今回は、そんな5人のメンバーを代表して山中柔太朗にインタビュー。10月23日リリースのニューシングル『エビバディグッジョブ!』について、また10月30日にリリースされるBlu-ray&DVD『M!LK CONCERT TOUR 2024「HERO」』の見どころを自身が手がけるライブ衣装の面からも語ってもらった。(山田邦子)

「昔に比べたら伸び伸びと考えをアピールできるようになった」

ーー新曲「エビバディグッジョブ!」は、ライブで聴くとさらに楽しいだろうなと思う1曲でした。

山中柔太朗(以下、山中):ありがとうございます。僕もプライベートで聴いちゃうくらい好きな曲だし、ライブでやったら楽しいだろうなって想像しています。

ーー最初に聴いた時の印象はいかがでしたか?

山中:何曲か送られてきたデモを、みんなで聴きながらじっくり選んでいったんです。最初はメロだけだったんですけど、なんかすごく楽しそうだし、盛り上がるし、M!LKらしさも一番あるんじゃないかなってことでこの曲に決めました。

ーー歌詞は、メンバーからの意見やアイデアも反映されているんですか?

山中:そうですね。忙しい皆さんの日々を応援するみたいなところから始まって、あとはちょっと耳に残るような言葉をぜひ入れてほしいと伝えました。

ーー聴いている人の気持ちを肯定して「大丈夫!」と言ってくれているようで、すごく元気になれます。

山中:もちろんどの曲もそうですけど、M!LKは今年10周年ということで、ずっと大切にしていく曲だなっていうのは思っていて。改めてM!LKが活動している意味を考えた時に、例えば「M!LKのおかげで頑張れてます」とか、「M!LKのSNSやライブで元気をもらってます」っていう声がやっぱり一番多いんですよね。僕らもそのためにやってますから、そういった思いを込めた歌詞になりました。

ーーちなみに、山中さん自身が励まされたり応援されたりするのはどういうものからですか?

山中:やっぱり、好きなアーティストさんの歌を聴いてる時は元気をもらってるなと思います。僕はサザンオールスターズさんが好きなんですが、長く活動されているからめっちゃ曲数が多いじゃないですか。「聴いたことあるんだけど、改めてしっかり聴くと新鮮」みたいな曲もあったりして、そういうのを探すのも楽しいんですよね。何年も聴いてるけど、めっちゃいいじゃん! っていう発見がまだまだあるんですよ。

ーー大人になってやっと、歌詞の意味に気づくこともありますよね。

山中:そうですよね。こんな歌詞だったんだって発見があったり、やっぱりいい歌詞だな、いいメロディだなみたいなことを感じたりするとテンション上がりますし、元気が出ますね。

ーー音楽からの力は、山中さんにとって大きいですか。

山中:だいぶ大きいと思います。移動中でも家の中でも、音楽を流してますから。

ーー自分が聴く音楽からの刺激やパワーが、自分自身の表現に反映されていくこともあるんでしょうね。

山中:そうですね。実は、この「エビバディグッジョブ!」の最後の〈アイはきっといつも Beside you〉というところ、最初は普通に歌ってOKが出たんですけど、「もう1回録らせてください」と言って、桑田(佳祐)さんっぽい感じで歌ったんですよ。好きすぎて、リスペクトしてるからこそなんですけど。さすがに全部ではなかったけど、ちょっとだけ使われてました。

ーーそういうアイデアも、活動をしていく中でだんだん出せるようになってきた感じなんでしょうか?

山中:そうだと思います。昔に比べたら、だいぶ伸び伸び、自分で考えたことを伝えたりアピールしたりできるようになりましたね。

ーーそういえば「エビバディグッジョブ!」の中に〈今何時?〉と繰り返されるパートがありますが、サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」にも出てくるので思わずニヤッとしてしまいました。

山中:僕もそう感じてました。嬉しかったです(笑)。

ーーそのパートでは夜更かししている主人公の状況を歌っていますが、山中さんはどんなふうに過ごすことが多いですか?

山中:ゲームが好きなので、3時くらいまでやってたりしますね。結構夜型なので、衣装を考えたりするのも深夜だったりします。

ーー夜中って自分自身とすごく向き合うような時間帯でもあるのかなと思いますけど、その点はどうですか?

山中:確かに、朝見直したら恥ずかしくてやり直すみたいなこともありました(笑)。でも僕の場合、頭が働くのって深夜なんでしょうね。だから台本も、寝る前に覚えたりしてます。

ーー今回のジャケット写真のイメージや衣装も、アイデアをお出しになったんですか?

山中:衣装に関しては最初に提案をいただいて、みんなで話をして決まりました。触るとすごくふわふわしている部分があったりして、相当かわいいんですよ。シルエットも綺麗で大好きです。みんなの表情も、笑顔だったり、叫んだりしてる感じがすごくいいなと思います。

M!LK - エビバディグッジョブ!(Official Music Video)

ーーMV撮影のエピソードを聞かせてください。

山中:今回はM!LKの幼少期というか、“ミニM!LK”みたいな子供たちがいて、一緒に踊ったりしたんです。ストーリーがしっかり作り込まれていて、僕は今までのMVで一番好きです。とにかく子供たちがすごく元気で。1日がかりの大変な撮影だったんですけど、僕らが疲れてたらダメなんで、元気出して頑張りました。子供たちと一緒のシーンも多かったので、楽しかったです。

ーー子供たちの表情も含め、見応えがありそうですね。

山中:かっこいい感じのMVももちろん素敵なんですけど、やっぱり笑顔のシーンが多いMVって観ていて元気が出るし、もう1回観たくなるんですよね。今回のMVは笑顔が多めだし、何度も観たくなる仕上がりになってるんじゃないかなって思います。

「愛してます」をしっかり伝えたい歌詞に

ーーでは初回限定盤カップリングの「give you」についても聞かせてください。

山中:どちらかというと、かっこよくて魅せるタイプの曲です。意外とM!LKにはなかったテイストの曲かなと思うんですが、僕はサウンドも結構好きで、この曲も家で聴いたりしてます。低い声でラップみたいに歌うところもあまりなかったので、新鮮でかっこいいなと思いました。

ーーあのラップはどなたがやっているんですか?

山中:1番が(曽野)舜太で、2番が佐野(勇斗)くんです。仮歌の段階で「2人はどんな感じでくるんだろう?」と思っていたんですけど、舜太はちょっと柔らかい系で、佐野くんはしっかり低い声でガーッと歌ってて。コントラストがあってすごくいいなと思いました。

ーー山中さんご自身のレコーディングはいかがでしたか?

山中:僕はこういうタイプの曲の方が得意なので、今回も自信満々で(レコーディングブースに)入りました(笑)。最初に仮歌を聴いた時から、自分がどう歌いたいかがすぐ決まりましたし。逆に「エビバディグッジョブ!」みたいな曲は、苦手というわけではないけど、ちょっと練習しないと自分の中で固まらないんですよね。

ーーライブでのパフォーマンスも、どんな感じになるのかすごく楽しみです。楽曲に対する塩﨑さんの発想の源がライブ演出だとしたら、山中さんの場合は?

山中:それはやっぱり自分の好きなものからになると思うんですけど、僕の場合は結構偏っているので、むしろ意見は出さないですね。僕は変わらず、ずっとサザンオールスターズさんやSEKAI NO OWARIさんが好きだから、どうしてもそういう曲がやりたいなって思っちゃうんですよ。でもそれがM!LKに合うかと言ったら、また別の話だと思うから。

ーー好きなものが自分の中ではっきりしているのは、素敵なことだと思います。

山中:音楽だけはずっと変わらないんですよね、珍しく。他はいろいろと好みの変化がありますけど、音楽は変わらないです。

ーー通常盤のカップリング曲「Message」は、大切に想う人がいる方はもちろん、み!るきーず(ファンの呼称)の皆さんは特にグッとくる1曲のように感じました。

山中:この曲いいですよね。恋人とも、み!るきーずとも捉えられるし。感謝も含め、「愛してます」っていうのをしっかり伝えたい歌詞になっています。曲を聴いて、メンバーもみんなすぐに「いいね」となったんですよ。もしかしたら、みんな今こういう曲が欲しいと思っていたのかもしれないです。

ーー個人的に気に入っているフレーズなどはありますか?

山中:最終的には〈僕の夢はずっと君と共にあるんだ〉って壮大なことを歌っているんですが、電車の窓に映る顔を眺めてたり、コンビニから出てふと空を見上げるみたいな日常の些細な風景から始まっているところが結構好きで。2Aは僕が歌わせてもらっているんですが、「この歌詞を書かれた方(MUSOH)も、コンビニから出てふと空を見上げたのかな」なんて思いながら歌いました。

ーーこういう曲が歌えるのも、そして届けたいなって思えるのも、み!るきーずからの応援を日々感じていらっしゃるからじゃないかなと思います。

山中:そうですね。たぶん、1年目で歌うのと10年目で歌うのとでは重みが全然違うと思います。歌っていて、応援してくれる方がいるからこそ出てくる感情みたいなところもありますし。

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