King Gnu×SixTONES、Vaundy×Number_i、緑黄色社会×King & Prince……男性アイドル/グループへの楽曲提供が生む化学反応

 近年、J-POP/J-ROCKアーティストが“男性アイドル”に楽曲を提供することが増えている。たとえば、12月にリリースされるKing & Princeのアルバム『Re:ERA』の収録曲「ボーイミーツガール」は、緑黄色社会が手がけている。長屋晴子(Vo/Gt)が作詞、peppe(Key)と穴見真吾(Ba)が作曲、演奏をメンバーが担当。ソリッドギターを軸にしたバンドサウンドに、ストリングスやシンセサイザーが融合したカラフルで幸福感のあるアレンジになっており、「Mela!」をはじめとした、緑黄色社会の王道とも言えるロック×ポップな持ち味が発揮された楽曲になっている。思えば、King & Princeもまた、見る者を自然と笑顔にさせるポップなパフォーマンスでその地位を獲得してきたグループであり、「ボーイミーツガール」を聴くとこの2組の重なる持ち味が大きな相乗効果を生んでいる印象を受ける。

King & Prince「ボーイミーツガール」

 ロックバンドが“男性アイドル”に提供した楽曲としては、MILLENNIUM PARADEを主宰し、King Gnuのギター&ボーカルを務める常田大希がSixTONESに提供した「マスカラ」を思い浮かべる人も多いかもしれない。「マスカラ」は作詞作曲からアレンジまで、常田が手掛けた楽曲である。一音一音を大切にした美しい楽器のメロディや、ミクスチャーなテイストも取り入れた洗練されたアレンジも彼独自の魅力のひとつ。そんな「マスカラ」は先日、「MASCARA」と表記を改め、King Gnuが新たなアレンジを施したセルフカバーがリリースされた。井口理(Vo/Key)がメインのボーカルパートを担い、King Gnuがサウンドをアレンジし直すことで、独特のスタイリッシュさを受け継ぎつつも、SixTONESの「マスカラ」とは一味違う艶っぽい雰囲気が溢れ出る仕上がりに。両作を聴くと、それぞれの持ち味の違いを感じる一方で、ボーカルに宿る艶やかさ、そのなかに潜むある種のガレージ性は共通していると感じる。異なるアーティスト同士でありながら、通ずるものがあることを深く実感したのだった。

SixTONES – マスカラ[YouTube Ver.]

関連記事