戦慄かなの「悪い人」、かやゆー提供曲がバイラルヒット ピュアな歌声だから伝わる世界観
平メロとサビの差が大きくなく、ともすれば淡々とした印象になりやすい曲だと思うが、戦慄は歌詞の一言一言を噛みしめるように、丁寧に発音することで、1人の女性の物語としてしっかり聴かせている。ボーカルアプローチもとことんストレートで、トーンも素直に伸ばし自然にデクレッシェンドがかかるところはあるが、ビブラートなどはほとんどない。子音のインパクトも一定で、メロディを丁寧になぞるように歌うアプローチによって楽曲にピュアさを加えている。1人の男性に振り回される女性の本音を綴った歌詞が切ないラブソング「悪い人」は、ヤングスキニーの代表曲のひとつである「ゴミ人間、俺」のアンサーソングの意味合いもあるそうだ(※2)。男と女の関係は、長くなればなるほど、いろんなことが絡み合ってくるが、そこをほどいて見えてくるのはシンプルな感情であることを、戦慄かなのはそのピュアな歌声で伝えているのかもしれない。
※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2024-10-09
※2:https://www.yangskinny.com/news/detail/32529