ポルノグラフィティ、『EIGHT-JAM』で紹介された25年間の軌跡 「あなたたちは誇りです」数々の賛辞と共に振り返る

 後半では25年の中で抱いてきた葛藤を追究していく。メジャーデビュー曲「アポロ」を筆頭に、当初のポルノグラフィティはプロデューサーであった本間昭光が手掛けた楽曲でヒットを飛ばしていた。その事実に対し、昭仁は「自分たちで曲を書いていない悔しさがあった」「それをコンプレックスに思っていた時期もあった」と本音を語る。その中で彼らは、自分たちのアイデンティティを守るために必死に戦っていたのだという。

ポルノグラフィティ『アポロ』MUSIC VIDEO

 「作詞だけは自分に挑戦させてくれと。本間さんが用意してくれた歌詞に対して、それに勝たないと自分たちとしても“何やってんだろう”みたいな気持ちがあったんですよね。歌詞とともに、メロディに関してもそうやって戦ってきた気はします」と晴一。そんな戦いを続けながらシーンの第一線で活躍してきた彼らは、2010年リリースの8thアルバム『∠TRIGGER』以降、本間のプロデュースから離れ、すべての楽曲を昭仁と晴一が手掛けるようになる。そこから約14年の歳月、彼らは「ライヴをずっとやってきたことだけが自分たちのストロングポイントだと思ったので、ライヴに活きる、ライヴで映える、ライヴで2人がしっかりパフォーマンスできる曲を作り始めたのかもしれません」(昭仁)と、自分たちの強みを生かした楽曲作りを目指してきた。今、2人だけの足で力強く立てている現状は本間との時間があったからだとしっかりと噛み締めつつ、晴一は「すごく幸せなストーリーですよね」と振り返る。そんなポルノグラフィティにとっての重要人物である本間から「僕の膨大なワークスの中で『ゼロイチ』でここまで大きくなったのはポルノグラフィティだけです。あなたたちは僕の誇りです」というコメントが寄せられたシーンは本当に感動的だった。

 番組のラストは、25周年を迎えた今の彼らが思い描く未来予想図について。20周年のタイミングで開催された東京ドーム公演『20th Anniversary Special LIVE NIPPONロマンスポルノ'19〜神vs神〜』での経験を振り返りつつ、2人はこう語った。

 「20周年の東京ドーム公演。そこに至る道は大変だった。いろんなことをやり尽くした中で、その山の頂上が東京ドーム。その先に何があるのかわからない、次が見えない状態だった。でも東京ドームを終えた瞬間にまだ行けるぞ、次にまた山を作ろうと思えた」(昭仁)

 「もし30年目のドームができたら、また意味が変わってくる。そこでどういう景色が見えるのか、すごく興味がある。ここから気楽な活動にシフトしていくパターンも考えられなくはないけど、やっぱりその景色を見るモチベーションでやってないとおもしろくないですよね」(晴一)

ポルノグラフィティ『Zombies are standing out』(20th Anniversary Special LIVE “NIPPONロマンスポルノ‘19〜神vs神〜” DAY2)

 生み出され続けてきた楽曲群や、昭仁のボーカル、晴一のギターや歌詞の魅力がポルノグラフィティという大きな船を25年の長きにわたって牽引してきたことは揺るぎなき事実だと思う。だが、彼らが愛され続ける最大の理由は、彼らが常に音楽に対して真摯に向き合い、時に迷い悩みながらも“一生懸命”にポルノグラフィティを前へと進め続けてきたからこそだろう。キャリアに胡坐をかくことなく、彼らは今もインディーズ時代から変わらぬキラキラとした想いを持って音楽を鳴らし続けている。だからこそ僕らはいつだってポルノグラフィティに強く惹きつけられ、一瞬たりとも目が離せないのだ。

 盛大な25周年イヤーを駆け抜けるポルノグラフィティは、先日の『因島・横浜ロマンスポルノ’24 ~解放区~』で初披露された新曲「ヴィヴァーチェ」を10月30日に配信リリースすることが決定している。今の2人の姿が鮮烈に刻み込まれた新曲を楽しみにしつつ、ここからも力強く続いていくポルノグラフィティの輝かしい未来に思いを馳せたい。

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