ポルノグラフィティ、『EIGHT-JAM』で紹介された25年間の軌跡 「あなたたちは誇りです」数々の賛辞と共に振り返る
今年の9月8日にメジャーデビュー25周年を迎えたポルノグラフィティ。これまでの歴史を網羅するシングルベスト『ポルノグラフィティ全書~ALL TIME SINGLES~』のリリースや、メンバーである岡野昭仁と新藤晴一の故郷・広島県因島にある因島運動公園と、これまでに幾度も伝説のライヴを繰り広げてきた横浜スタジアムでのアニバーサリー公演『因島・横浜ロマンスポルノ’24 ~解放区~』の開催などにより、記念すべき節目は大きな盛り上がりを見せている。そんな中、去る9月29日に放送された『EIGHT-JAM』(テレビ朝日系)にポルノグラフィティの2人が出演した。
「アポロ」「ミュージック・アワー」「メリッサ」「アゲハ蝶」「サウダージ」「オー!リバル」「Zombies are standing out」といった代表曲を過去のライヴ映像とともに紹介する冒頭。ポルノグラフィティのファンであり、大きな影響を受けたというOfficial髭男dismのギタリスト・小笹大輔や米津玄師らから寄せられたコメントが紹介されることで、ポルノグラフィティがシーンで放ち続ける圧倒的な存在感が視聴者に向けて提示されていく。番組の出演者である古田新太からの「唯一無二なお二人じゃないかなと思います」という発言や、同じく出演者の高橋茂雄(サバンナ)の「十何年前の曲もかっこいいし、最新の楽曲もめっちゃかっこいいんですよね」という一言には、ファンならずとも大きく納得させられたはずだ。
続けて高橋が告げた「メジャーデビューされる前の下積み時代、一緒の劇場に出させてもらってたんですよ」という言葉を受けて、昭仁が「(大阪の心斎橋筋)2丁目劇場でご一緒したんです。いろんな芸人さんがいらっしゃる中、唯一おしゃべりしたのが高橋さんで」という過去の一幕を語る。「お笑いを見に来ている人たちの中で、自分たちの音楽を聴いてもらうことがポルノグラフィティのエンタテインメントの出発点になっている」と話した晴一の言葉の通り、インディーズ時代にさまざまな場所でライヴ力を養っていたことを証明するエピソードに感嘆したファンの多かったのではないだろうか。
そこからは、ポルノグラフィティに縁のある人物としてスガ シカオと、ポルノグラフィティの制作やライヴに参加するtasukuらとともに彼らの魅力を多角的に分析していく。「ライヴスキルの高さ」という大きな武器を発端に、まずは昭仁のボーカル力にフォーカスが当てられた。スガは「圧倒的な岡野くんのボーカル。ライヴではその威力が絶大で、多分ガチバトルしたら誰も敵わない。声も歌唱力もスゴすぎる。何十回もライヴを見てますが、音程外したのを見たことがない」と昭仁の歌を大絶賛。tasukuからは「MCでの声は嗄れているのに、歌い始めるといつも通り声が嗄れていない。どういうこと?」という質問が投げかけられると、昭仁は「歌う時としゃべる時では使う声帯が違う」「そうやってカラダをコントロールする術を得たのかもしれないです」と、その秘密を明かしてくれた。
続いては晴一のギターについて。ヒゲダン・小笹からの「音の良さが本当に圧倒的。他の楽器数も多い中で、あの多ジャンル、多音色をあれだけの音の良さで全て網羅されているのは本当にすごすぎます。ギタリストとして目標にしています」というコメントが披露されると、晴一が嬉しそうな笑顔を浮かべる。また、「ポルノグラフィティの曲には絶対にギターソロがあり、そこでギターが主役になる。全会場をソロのフレーズに集中させる力を持っている。それは音量がデカいとかそういうことではなく、一番後ろの人まで届いているということのすごさ」とtasukuが語ると、流れはギターソロの話題に。そこで晴一が「自分はソロをバンバン弾くヴァン・ヘイレンみたいなタイプじゃないので、本当はなくてもいいんですけど(笑)」と謙遜。「曲によってはソロがないものがあっても?」とSUPER EIGHTの村上信五が投げかけると、晴一は「そうなったらいいんじゃないかな」と笑いながら答えるが、すぐさま昭仁が「僕が許しません!」と釘を刺す。ここ数年、ギターソロの是非がSNSを中心に議論されているが、ポルノグラフィティの楽曲においてのそれがいかに重要な、欠かすことのできない要素になっているか。それをメンバーである昭仁が明確に示してくれたのが非常に印象的だった。
また、晴一の歌詞の素晴らしさに話が及ぶと、「僕の場合、メロディやアレンジが呼んでくる雰囲気がとにかく大事。例えば『サウダージ』だったら、あんなイントロが流れてきたら“コンビニで~”みたいな話にはならないじゃないですか。あのイントロでどんな風景が見えるか。そこに合う言葉をとにかく探していく。その音がどんな言葉を求めているかを、しっかり読み解いていくイメージです」と作詞術について明かしてくれた。続けて、昭仁は過去のエピソードを紹介。「昔、同じ曲に対して2人で歌詞を書き合っていたことがあったんですけど、そこで僕は1回も晴一に勝ったことがないんです。それはすごく悔しいことではあったんですけど、後々冷静になって“晴一の歌詞を見ると”そりゃそうだわ“みたいに納得できる」と述懐し、晴一の紡ぐ歌詞に対して抱いている絶大な信頼を吐露していた。