いきものがかり×SUPER BEAVER、繋がりと共鳴から実現した初ツーマン リスペクトを示し合う特別演出も

 三ツ矢ブランド140周年を記念したライブイベント『〜一緒なら、もっと楽しい!〜 三ツ矢140th SPECIAL LIVE』で、いきものがかりとSUPER BEAVERによる初のツーマンライブが行われた。このライブは、三ツ矢サイダーのテーマソング「青のなかで」を書き下ろし、CMにも出演中のいきものがかりが、対バン相手にSUPER BEAVERを指名したことから実現したもの。2024年の三ツ矢サイダーのテーマでもある「一緒なら、もっと楽しい!」を合言葉に、ともに音楽を鳴らした。

SUPER BEAVERが肯定する、一人ひとりの“あなた”の存在

 司会の大抜卓人に呼ばれて、最初に登場したのはSUPER BEAVER。1曲目「名前を呼ぶよ」からバンドのサウンドは力強く、観客の注意が一瞬でステージに集まった。今やアリーナを揺らすバンドであるSUPER BEAVERの度量の広さを感じさせるオープニング。また、活動規模が大きくなろうとも、常にライブに軸足を置いているバンドだけに、観客の感情を察知するのも早い。渋谷龍太(Vo)は、いつもと違う会場の雰囲気にまだ慣れずにいる観客に「気にせずやろうぜ!」と呼びかけつつ、あなたと一緒に“音楽”がしたいと伝えながらライブを進行。そして「愛すべきあなたのお手を拝借」と「美しい日」へ繋げた。

SUPER BEAVER

 三ツ矢ブランドは140周年を迎えたが、SUPER BEAVERは現在結成20年目で、「4人だけでやってきたわけではない」と自覚しているという。だからこそ彼らは、音楽を通じた“気持ちの往来”を大事にしているのだろう。個人としての衝動や喜びに素直になりつつ、バンドとして団結しながら、熱量の高いサウンドを鳴らす柳沢亮太(Gt)、上杉研太(Ba)、藤原”36才”広明(Dr)。前線に立ち、ボーカリストとして言葉を届ける渋谷は、「“一緒なら、もっと楽しい!”。めちゃくちゃ共感できるけど、SUPER BEAVERはちょっと違う。我々は“一緒じゃないと、楽しくない”です」と、さらに「私がいたから最高の1日になったと、胸を張って帰ってもらいたい」と観客に対して語っていた。バンドのかき回しに気持ちを押し上げられながら、渋谷が「あなたにどうしても言わなきゃいけないことがある」と心から歌い上げたのは、〈愛してる〉の5文字。6曲目の「アイラヴユー」は、誰が欠けても成り立たないこの空間の美しさを根拠に、一人ひとりの存在を肯定する歌として届けられた。

渋谷龍太(SUPER BEAVER)

 「小さな革命」で締め括られたSUPER BEAVERのライブ中には、この日ならではの特別な場面があった。SUPER BEAVERがいきものがかりのトリビュートアルバム『いきものがかり meets』に参加した際にカバーした曲「コイスルオトメ」が、ワンコーラス披露されたのだ。芯の通った歌声とバンドサウンドで思いっきり感情を放出させつつも、恋する人の純粋さや繊細さも丁寧に表現した名カバー。SUPER BEAVERからバトンを受け取ったいきものがかりは、果たしてどんなライブを見せてくれるのだろうか。

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