ときのそら、アイドルらしさを貫く決意と新章への挑戦 初アニメ主題歌で発揮した優しい表現力

思い入れの深いクリエイターと挑んだ7周年記念ソング

――カップリングの「ラッキーセブンスホイッスル」は7周年の記念ソングになっています。この曲の制作過程についても教えてください。

ときのそら:この曲は「7周年をテーマにした曲を歌いたい!」と思ったのがきっかけでできた曲です。「どんな曲にしましょうか?」と聞かれたときに、やっぱり感謝を伝えたいと思ったので、参考として自分の曲を何曲か挙げて、「こういう雰囲気の曲がいいです」とお願いしました。それに加えて、私の最近の曲はダンスの振付もしっかりつけてもらうことが多いので、「踊れる曲にしてほしい」ともリクエストしました。

――参考にしてもらったそらさんの曲はどのあたりだったんでしょう?

ときのそら:「ユメゾラ☆ファンファーレ」のような4thアルバム『Sign』のいくつかとか、「好き、泣いちゃいそうだ」のようなみんながライブで印象に残っているだろう曲を挙げました。そういった楽曲に関わってくださったまつもとななみさんに作詞を、藤原彩豊さん(「ユメゾラ☆ファンファーレ」の作編曲)に作編曲をお願いしました。

――そういうことだったんですね。歌詞も結婚式のような冒頭から、「1、2、3、4……」と7まで順番にアイドルとしての気持ちを宣言していくユニークなものになっていますね。

ときのそら:私らしさ全開になったんじゃないかなと思います。振付をつけてくれた方も「結婚式をイメージしました」と言ってくれていたので、共通して皆さんそういうイメージを持ってくれていたみたいです。歌に関しては、とにかく自分らしく歌おうと思って、自分が一番歌いやすい歌い方で歌っていきました。

――歌で特にこだわったところはありますか?

ときのそら:6つ目の〈私を見て!!〉のところですね。その後すぐに間奏に入ることもあって、その部分は強く言いたかったですし、「みんなとこれからも歩いて行きたいよ!」ということを強く伝えたかったので、一番力を入れたところかもしれません。あと、「1、2、3、4……」と宣言していく内容は、私の中では約束というより「こうなりたい!」というものが挙がっているイメージで、特に5つ目は私らしいなと思いました。

――〈5つ アイドルとは時にあざとくがお決まりと/誰かが言ってたけど上手くできないのです〉という歌詞ですね。

ときのそら:ここは私を知ってくれている方が書いてくださった歌詞だなってすごく感じた部分で、特に素直に歌えた気がします。そらとも(ときのそらファンの通称)さんも、きっと「うんうん」と思ってくれるんじゃないかな(笑)。あと、自分の中にはない感覚もあって、6つ目の〈推し変なんてしないでよね〉は特にそうでした。私の場合、そういうことってあまり思わないので、「どんなふうに歌おうかな?」と考えた部分でしたね。

――6周年の際の「Rolling, Loading!!」もそうでしたが、今回は「7」という数字で遊ぶような雰囲気がとにかく楽しい印象です。

ときのそら:やっぱり7周年の記念ということで、そういう曲にしていただきました。「7」というとやっぱりラッキーセブンのイメージが強いので、七福神みたいにみんなに楽しんでもらえるような楽曲になったらいいなと思っていました。

【7周年記念曲】ときのそら「ラッキーセブンスホイッスル」【Official Music Video】

「活動していく中で、自分の素も受け入れてもらえることがわかった」

――今回の2曲はそらさんにとってどんな楽曲になったと感じていますか?

ときのそら:どっちの曲も、私にとっての転換期の曲になったのかなと思います。「おかえりなさい」は私にとって初めてのアニメタイアップで、ステップアップの曲でもあるので、私の中の新しい章が始まったようなイメージの楽曲になりました。一方で「ラッキーセブンスホイッスル」はアイドルらしさがより強く出ていて、「それでも私はアイドルとして頑張っていくよ」という決意を伝えられる楽曲だと思うので、8年目に向けて大事にしていきたい2曲を歌わせていただいたのかなと思いますね。

――活動7周年を迎えた今、どんな楽しさを感じていますか?

ときのそら:ずっと活動を見てくれている人たちに、「これからもどういうふうに新しさや成長を見せていけるのかな?」と考えていく意味では、7年目になって楽しさだけじゃなくて悩みを感じる部分ももちろんありますけど、「おかえりなさい」をきっかけに私を新しく観に来てくれた人もいっぱいいるので、そういう人たちに配信を通して「私はこういう人ですよ」と伝えられる機会も増えていますし、すごく楽しいです。

――そらさんの場合、黎明期の頃から考えると配信への向き合い方もどんどん変化していますよね。

ときのそら:しゃべり方を変えようとか、そういうことをしているわけではないですけど、自然とリアクションや内容も変わっているらしくて。あまり大きく自分を変えていこうという意識を持ってはいないので、自覚があるわけではないんですけどね。いろんな経験を積んでいく中で自然と変わってきたのかなと思っています。

――昔のそらさんは“アイドル”であることが第一にあったと思うんですが、最近は“配信者でもある”という雰囲気に変わった部分もあるのかなと感じます。

ときのそら:やっぱり、配信の回数も増えていますからね。確かに、リアクションとかは、今の方が大きくなったかもしれないです。最初の頃はアイドルらしさを強く出すために、自分の素の部分ってできるだけ出さないようにしていたんですけど、やっぱり活動していく中で、自分の素も受け入れてもらえることがわかったというか。なので、これは変わったというよりも、“素が出てきた”ということなのかもしれないです。どんなリアクションをしても、ちゃんとアイドルとして受け入れてもらえるんだということがわかったことで、自分らしくリアクションしたり配信できているのかなって思います。

――それは何よりです。最後に、これから新たにやってみたいことを教えてください。

ときのそら:私ひとりで実現できることではないですけど、例えばコンセプト系のアルバムを出してみたいなと思ったりします。ボカロPの人たちに、普段ボカロで作るのと同じように楽曲を作っていただいて、私が歌うアルバムにしてみたりとか。

――それは面白そうですね。人が歌うのが難しいボカロ曲でも、原曲キーで歌うことに定評のあるそらさんならではの試みだと思います。

ときのそら:はい! そういうことができるVシンガーってそんなにいない気がするので、私らしさも出るかなと思います。

――「ときのそら VS ボーカロイド」といいますか。

ときのそら:(笑)。もちろん、例えば「バラードを集めてみました」というものでもいいですけど、私だからこそできるような、自分らしさが伝わる作品を作ってみたいなと思います。一方で、ずっと変わらないこととして、私は音楽を聴いてくれる人が大事で、みんながいなければ何もできないと思っているので、一緒に盛り上がれるような曲ももっと歌えるようになりたいですし、観に来てくれた人が楽しかったと思えたり、応援してよかったと思える人であり続けたいなと思っています。

◾️リリース情報
ときのそら
New Single『おかえりなさい』
2024年9月11日(水)発売
購入:https://www.jvcmusic.co.jp/tokinosora/37742/
・初回限定盤(2CD):¥2,420(税込)
・通常盤(CDのみ):¥1,320(税込)
・VOS限定盤(初回限定盤+オリジナルTシャツ)¥5,720(税込)

<共通CD>
M1. おかえりなさい
M2. ラッキーセブンスホイッスル
<初回限定盤DISC-2>
ボイスドラマCD「悪魔を呼んじゃう料理」

ときのそら アーティストページ

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