NOA、音楽への情熱と感謝を伝えた一夜 『Primary Colors』全国ツアーキックオフ公演を独占レポート

 7月25日、LINE CUBE SHIBUYAにて『NOA “Primary Colors” IN TOKYO 〜You ready for this?〜』が開催された。このライブは、今年5月にリリースされたNOAの2ndアルバム『Primary Colors』を携え行われる全国ツアー『NOA “Primary Colors” HALL TOUR IN JAPAN ~Flashing Lights~』に先駆けたキックオフ公演となる。同公演の模様を独占レポートしていきたい。

 『Primary Colors』は、3カ国語(日本語/英語/韓国語)を話すNOAの多彩な才能を表現したアルバムだ。NOA自身が「自分のなかには3つの人格がある」と語るように各言語で異なる自分を表現し、それらをPrimary Colors(=三原色)に見立てた意欲作となっている。今回、NOAはアルバムと同様に「RED」「BLUE」「GREEN」の3原色に分類された楽曲で構成されるライブセットを披露した。

 ライブは、暗転したステージのバックスクリーンに映し出された映像とともにスタート。光の映像とともにNOAが登場すると、会場は大きな歓声に包まれた。オープニングを飾ったのは、アルバムのリードトラック「COLORS」。“TEAM NOA”ダンサーとの息の合ったダンスパフォーマンスは、観客を一気にNOAの世界へと引き込んだ。

 また、バックスクリーンには『Primary Colors』を象徴する赤、青、緑の三原色が激しく点滅し、次々と切り替わる映像が映し出された。これは、NOAが曲に込めた「色が広がっていく」イメージを視覚的に表現したものだ。NOAは以前、インタビューで「この曲だけ唯一色がないのは、僕自身が今の段階ではまだ1色に染まりたくない」(※1)と語っていたが、そのコンセプトが鮮明に表現されていたように感じた。

 続いて、アグレッシブで刺激的な「gimme」、「Prime」、「between」が披露された。ディスコポップやブレイクビーツ、ガラージなどダンサブルな楽曲により、ライブ序盤にもかかわらず観客の熱気が一気に高まった。特に「between」では、曲の途中で音が静止する演出があり、一瞬時間が止まったかのような錯覚を起こさせた。この意表を突く演出は、このセクションのハイライトと言える盛り上がりを見せた。

 「BLUEセクション」への移行は、青空や海、都会の街並みを映し出すVTRで巧みに表現された。エモーショナルなピアノフレーズに乗せて流れる映像は、全体的に青みがかっており、これから始まる同セクションを予感させるものだった。

 実際に「BLUEセクション」が幕を開けると、会場の雰囲気は一変。NOAは「BLUEは、切なさをテーマに日本語で歌詞を書いた曲を集めた、センチメンタルかつエモーショナルなセクション」だと語っていたが、その言葉どおり「YBOM (You've Been On my Mind)」、「imasara」、「Break Away」と続く楽曲群は、日本語の詩的な表現が最大限に活かされ、歌に乗せられた切ないメッセージが観客の心に深く響いた。

 そのなかでも印象的だったのは、柔らかいギターの音色が響くバラード「imasara」のパフォーマンスだ。暗転したステージにスポットライトが当たり、座ったまま歌うNOAの姿が浮かび上がった。同曲の終盤でバックスクリーンに映し出されたのは、クローズアップされたNOAの額から汗がしたたり落ちる様子。ここまでの彼の熱の入ったパフォーマンスを物語っているようでもあった。

 ライブが中盤に差し掛かると、NOAは「まだまだこれからみんな盛り上がっていけるよね!」と観客に呼びかけ、「REDセクション」を展開。重低音が会場に鳴り響くボトムへヴィな「RED ZONE」と「RED ZONE REMIX」を続けて披露したのち、「answer」では、NOAが1階の客席に降り立ち、オーディエンスと間近な距離で熱唱する場面があった。NOAは「answer」について「ロック調の曲で、歌詞も、これまではちょっとお利口さんだったところからもっとワイルドになった」と語っていたが、今回のライブでは、その言葉を彷彿とさせる大胆なパフォーマンスで、大いに観客を魅了した。

 そして、ライブは終盤を告げる「GREENセクション」に入ると新たな表情を見せ始めた。“幸福感”をテーマにした楽曲で構成されるこのセクションでは、まず夜の東京と昼のニューヨークの対比が印象的な映像とともに「Fell in love in NYC」が披露された。

 次に披露された「Always and Forever」では、NOAの「ここからもっと盛り上がっていくよ!」という言葉どおり、アッパーなポップパンク調の曲調で会場が一体に。NOAが背負う大きなスクリーンには客席が映し出され、NOAとファンの一体感を感じさせる。

 会場の盛り上がりが最高潮を迎えたタイミングで、NOAは「次の曲で最後になります。『Primary Colors』の曲をお届けできてとても幸せでしたし、何よりも今日みんなが楽しんでくれたことが一生の思い出です」と語り、軽快なダンスナンバー「Last Letter」でライブ本編を締め括った。

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