22/7(ナナブンノニジュウニ)、ミュージカルスタイルで続ける進化 『Magic School Days』7月公演レポ

 デジタル声優アイドルグループ・22/7(ナナブンノニジュウニ)が7月22~24日、ヒューリックホール東京で『Summer Live 2024「Magic School Days ~月と地球のフィルハーモニー~」』を開催した。7月と8月の2カ月連続で公演が行なわれる『Magic School Days』は、魔法学校を舞台にした演劇パートと楽曲パフォーマンスで構成される。昨年11月の『ANNIVERSARY LIVE 2023』で確かな成果をあげた、芝居と楽曲とをシームレスにつなぐこの公演スタイルで、今夏のライブも22/7特有の世界を構築していく。本記事ではDAY3となる、24日の公演の模様をレポートする。

 開演すると、客席下手のドアから河瀬詩が入場、魔法学校への案内状を手にして閉館した映画館にやってくるところからストーリーがスタート。客席通路を使いながら他のメンバーも登場し、会場を本公演の物語へと引き込んでいく。ステージに上がったメンバーたちが光の輪の中に飛び込むと、「22/7 Magic School Days!」の掛け声とともに1曲目「謎の力」がパフォーマンスされ、ライブが走り出す。

 曲終わりに河瀬のモノローグで、彼女が憧れの母を目指して魔法学校にやってきたことが語られた。続いて魔法学校を舞台にした名作を彷彿とさせるクラス分けのシーンなどを通じて、徐々にメンバーそれぞれのキャラクターも見えてくる。同時に、メンバーたちの台詞とリンクさせながら「君とどれくらい会わずにいられるか?」「タチツテトパワー」といった楽曲も披露され、ライブの序盤ブロックを盛り上げていく。

 魔法学校に入学したメンバーたちがMOON組とEARTH組に振り分けられてから、1カ月、2カ月と月日は経過する。やがて校長の口から、両チームが試験で競い合い、負けた組が退学になるというルールが発表される。相手チームメンバーの舞台裏の素顔を暴露する、アドリブの利いた軽快なやりとりなどを経つつも、メンバーたちは少しずつ試験に向けて不安な思いを強めていく。その心象風景を映すように「とんぼの気持ち」や「僕は存在していなかった」がパフォーマンスされ、ここでは22/7が持つシリアスサイドの作品の強さが遺憾なく発揮される。

 魔法で皆を幸せにしてきた母を目標に歩むMOON組の河瀬と、EARTH組の仲間とも馴れ合わず独り高みを目指そうとする天城サリーの対照を軸にして、ストーリーは両組の決着をつける期末試験へと進んでいく。二組の戦いの表現としてパフォーマンスされる「空を飛んでみよう」を経て、DAY3の日替わり試験として用意されたのはラップバトル。相川奈央の仕切りで河瀬と天城が指名されると、両者ともに対抗心をあらわにしつつ韻の固いリリックを披露する。昨年夏のツアーでも催されたラップ企画が今回の公演では物語に組み込まれ、昨年は不参加だった河瀬のラップに凱歌が揚がる。

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