THINKR、総額約50億円の資金調達完了と独立を発表 次世代エンターテインメント創出に向け体制強化へ
ドラマティックデザインファーム THINKRが、7月26日に総額約50億円の資金調達を完了。あわせて、親会社であるエイベックス・グループからの自己株式取得により独立し、新たな経営体制で運営していくことを発表した。
THINKRは、阪急阪神ホールディングス、JAFCO、HIRAC FUND、Makers Fund、Cygames Capital、KDDI Open Innovation Fund、Yostar、千島土地、THIRDWAVEを引受先とした第三者割当増資、並びにりそな銀行からの融資を受け、総額約50億円のシリーズAラウンドの資金調達を実施すると同時に、自己株式取得の方法によりエイベックス・グループが保有するTHINKR株式を取得。本件はTHINKR創業以来初となる本格的な資金調達となる。
THINKRは企業広告やアーティストのクリエイティブ全般の受託制作などを行うクリエイティブプロダクション『ANSWR』を前身とし、音楽アーティスト、映像クリエイターのマネジメントなどを積み重ねマネジメント事業を拡大してきた。2016年に屋号をTHINKRに改め、2018年からはエイベックス・グループの子会社となりクリエイティブ制作のノウハウを発展させ、社員数も100名を超える規模へと成長。近年はアニメーションや原作開発、バーチャルエンターテインメント領域などでのアーティストや自社IP開発に注力している。
THINKRは「クライアントワークを主軸とした制作会社は、売上目標が増えるほど、“作品性”が消失していく」とし、受託制作を厳選し自社のコンテンツ開発を主軸とした、自立度の高いコンテンツスタジオになることで、世界観の在る作品作りを復活させ感動出来る作品群を生み出す“ドラマティック”なデザインファームという会社像を目指すという。今回調達した資金は、エイベックス・グループが保有する弊社株式全部の自己株式取得、及び借入金の返済に充当するほか、残額はすべて今後の成長資金に充当するとのこと。
また、既存事業領域であるクリエイティブ開発制作、アーティストマネジメント、バーチャルアーティストプロデュース、オリジナルIP開発、XR LIVE事業開発に加え、ゲーム、アニメ、メタバース、AI×IP、体験型エンターテインメントなどバーチャル領域で培ったノウハウを最大限活かした“総合的なバーチャルエンターテインメント事業”も積極的に仕かけ、新たな才能育成に投資していくプロジェクト『THINKR NEXT ARTISTS DEVELOPMENT』も立ち上げていく予定だ。
さらに今後、THINKRは単独大株主体制から複数の新株主の元でより独立した経営を行い、ここからより革新的で世界で闘える次世代エンターテインメントを創る会社となるため、背水の陣で“第三次創業”を行うことも発表している。
今回の発表にあわせ、ビジュアルアイデンティティ(VI)を刷新。力強さと鋭さが共存するタイプフェイスは、共闘する仲間たちと繋がりを持ちながら不確実な時代でも積極的に“先端”に立ち未来を切り拓く、デザインファームとしてのステートメントを示している。また、既存の秩序を良い意味で掻き乱す“挑戦心”と“牽引力”を表現。THINKRのコーポレートミッション“WE ARE A DRAMATIC DESIGN FIRM.”を具現化する複数のコンテンツスタジオ群の側面を強化しながら、クリエイティブ、アーティスト、IP、XR、イノベーションの5つの領域を推進し、次世代エンターテインメントにおける“新たなものづくり”のスタンダードを築いていくという強い意志表明でもあるという。
今回の独立を機会に、エイベックス・グループ、阪急阪神ホールディングス、新領域株式会社との間で戦略的提携も推進。エイベックス・グループとは今後もアーティスト領域を中心とした戦略的提携を行い、THINKRによるIPの海外進出を含む様々な活動をパートナーシップにより取り組んでいくほか、今までシナジーのあった各事業分野での事業連携を継続していく予定だ。
THINKRの新たな株主の1社となる阪急阪神ホールディングスとは、“体験型エンターテインメント領域”での戦略的提携を実施。過去数年間にわたりメタバースやIP領域での仕事を積み重ねてきた両社が、この戦略的提携により両社にとってシナジーのある新たなプロジェクト、事業連携を現在検討中とのこと。
新領域株式会社とも“体験型エンターテインメント領域”での戦略的提携を実施するほか、代表の杉山央はTHINKRのスーパーバイザーとしても参加することが決定している。
なお、THINKRは今回の発表を機に新たな挑戦のため35種類のポジションで採用を実施中。また、本情報が集約された特設サイトも公開されている。
THINKR CEO 針谷建二郎 コメント
本当に沢山の素晴らしいパートナーの方々に支援して頂き、万を期して今回の進展となりました。
この新たな展開を迎えることを私自身はずっと一つの目標としてきました。
非常に難しい実現性の薄いディールをなんとか形作れたのは新たな投資家の皆様や心良く御協力頂いたエイベックス・グループの皆様のおかげです。
6年間支援して頂いたエイベックス・グループへの感謝とリスペクトを今後も忘れずに、新たな仲間達とここからTHINKRの「真の挑戦」がはじまります。
「総合的なバーチャルエンターテインメント事業」を中核としながらもドラマティックデザインファームとして新たな事業を立ち上げ、クリエイター、アーティスト、マネージャー、エンジニア、プロデューサーなど様々な人々が集う新しい時代の作品を産み出す次世代エンターテインメント創出の器となっていきます。
THINKR第三次創業、応援よろしくお願いします。
THINKR CEO 針谷建二郎
投資家からのコメント
阪急阪神ホールディングス株式会社 グループ開発室長 上田靖
バーチャルエンターテインメントは、日本が世界に誇る文化(アニメやゲームなど)との融和性が高い領域であり、そこで生まれる日本らしいコンテンツは多角的なビジネスに展開され、将来的には日本を代表する産業に成長すると期待しています。
当社グループは、リアルな領域を中心に長年培ってきたエンターテインメントや不動産等のビジネスノウハウを有しており、バーチャルな領域に強みを持つTHINKR社との協業を強力に推し進めることで、お客様にリアルとバーチャルが融合する新たなエンターテインメントを提供していきたいと考えています。
ジャフコ グループ株式会社 シニアアソシエイト 白川亜祐旭
THINKRは、"エンターテインメントの進化・深化"を行う会社です。凄まじいファンの熱狂に包まれたライブ会場で、エンターテインメントの新たな可能性を体感してご出資することを決めました。当社が音楽領域に留まらず、今後あらゆる領域でバーチャル技術とエンターテインメントを融合させ、人々の想像を超える体験を届けていく未来に期待しています。
マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社 HIRAC FUND ディレクター 甚野広行
THINKR社の作品は多くの人々の心を打ち、震わせ、そして救ってきました。私自身もその一人です。
リアルとバーチャルの垣根を超えて、ファンとアーティストが一体となった代々木第一体育館でのライブの感動。深く胸に刻まれています。
今回、THINKR社を愛する全ての方々の想いが紡がれた結果、本ファイナンスの実現に至ったと確信しております。
本件を契機にTHINKR社が日本のみならず世界中で飛翔する姿を、皆様と共に観測できる日を心待ちにしています。
Makers Fund Founding Partner Jay Chi
THINKR社のトップクオリティーのタレントをプロデュースする能力や、ユニーク且つ思い出に残るファン体験を創造する能力に惹かれ、この度出資をさせていただきました。
深い芸術性と豊富な技術ノウハウが融合されたTHINKR社のビジネスは、他に類を見ないものであると考えております。
THINKR社のビジョンや創造的な取り組みをサポートできることを、私たち一同楽しみにしております。
株式会社Yostar CEO 李衡達
この度、THINKRに出資させていただくことを非常に嬉しく思います。
KAMITSUBAKI STUDIOの才能あふれるアーティストやIPとしてのポテンシャルに多大な可能性を感じたことはもちろん、THINKRはバーチャルエンターテインメント領域で高い創造性と技術力を保有しており、株式会社Yostarとも強いシナジー効果が見込め、両社でエンターテインメントの未来を作っていけると確信し、出資いたしました。
今後THINKRがバーチャルエンターテインメント企業としてより大きなステージに進んでいくことを期待しつつ、株式会社Yostarとしてもその道筋を全力でサポートしていきたいと考えています。
KDDI株式会社 オープンイノベーション推進本部 本部長 中馬和彦
THINKRが提供するのは、Vtuberや2.5次元そんな既存のカテゴリーで括ることのできない作品であり、バーチャルでありながら圧倒的にリアルで輝くという唯一無二の世界感。
そんな彼らが世界に発見される日も近い。日本発でエンターテインメントの歴史が塗り替えられる瞬間に立ち会えることを、出資者という立場を越え一人のファンとして楽しみにしております。
千島土地株式会社 代表取締役社長 芝川善行
花譜をはじめとした魅力的なアーティストが所属していることも素晴らしい点ですが、競争力のあるIP創出力及びバーチャルエンターテインメントに関する技術力、そしてそれら全てを組み合わせて新たな世界観を作り出す力こそがTHINKR様の持つ大きな可能性だと考えています。
世界を舞台に戦える、日本を代表するプレーヤーになれる会社様だと感じ、この度出資をさせていただきました。株主として参画し、日本のクリエイティブの新しいステージを共に見られることを大変嬉しく感じています。
株式会社サードウェーブ 代表取締役社長 尾崎健介
この度は、新たな投資家からの資金調達を達成されましたこと、心よりお祝い申し上げます。
皆様の努力と情熱が生み出したIP、音楽、そして体験が多くのユーザー様に受け入れられ、
この成果をもたらしましたことに深く敬服しております。
これからも、バーチャルエンターテインメント分野における株式会社THINKRの革新的な挑戦が、新しい時代の先駆けとなることでしょう。
当社もICTの総合企業として、その一助となることができれば幸いでございます。
新たなステージでのご活躍を期待し、今後の発展と成功をお祈り申し上げます。
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