チャットモンチー、サンボマスター、THE BLUE HEARTS……カバーCMソングで蘇る平成の名曲たち
THE BLUE HEARTSが平成4年(1992年)にリリースした楽曲「夢」も、発売から約32年の時を経てカバーされ、その楽曲が西野七瀬が出演するサントリー「ほろよい」のCM『夢中がはじまる。』篇に起用されている。FINLANDSの塩入冬湖(Vo/Gt)とまらしぃによる今回の「夢」カバーは、原曲を大胆にアレンジ。YouTubeやニコニコ動画を中心に活動するピアニスト まらしぃによる色鮮やかなで流麗なピアノを、現在の邦楽シーンを支える手練れのミュージシャンたちが演奏でバックアップ。ドラムスは嵐、AKB48、桑田佳祐、布袋寅泰、椎名林檎とアイドルからベテランシンガーまで幅広いアーティストのレコーディングに参加している山木秀夫。ベースはEXILE、大塚愛、倖田來未、V6らの作編曲だけでなく、宇多田ヒカルやポルノグラフィティ、いきものがかりといったアーティストのレコーディング、ライブサポートも務める山口寛雄。錚々たるメンバーの演奏によって原曲とは大きく異なるアレンジが施され、「夢」に新たな息吹を吹き込んでいる。塩入によるハスキーで力強い歌唱はこのカバーの顔を担い、原曲のTHE BLUE HEARTS 甲本ヒロト(Vo)の歌唱にも負けない歌声が、いっそうこのカバーを強固な楽曲にしているのだ。
平成6年(1994年)リリースにして、平成を代表する名アルバムとして今もなお音楽ファンに愛聴され続けている小沢健二『LIFE』の収録曲「ぼくらが旅に出る理由」も、時を超えて企業とのコラボレーション動画でカバーされている。日産自動車のSUV「X-TRAIL」の映像内で本楽曲をカバーするのは、6人組ツインリードボーカルバンドのPenthouse。原曲はホーンやストリングスが印象的に鳴るキャッチーでポップなサウンドワークが印象的だが、Penthouseによるカバーはビートを前面に押し出しつつもツインボーカルバンドの持ち味を存分に活かしたソウルフルな楽曲に仕上がっている。CMではPenthouseのメンバーが実際にX-TRAILに乗車し、車内で生演奏を披露。大自然の悪路をものともせずに駆け抜ける車の力強さに、雄大な景色へ溶け込む演奏によってエモーショナルな空気が加わる新鮮な映像に仕上がっている。
平成という時代を彩ってきた楽曲が、時を超え新世代の手によって新しい解釈が加わって世に届き、愛されている。その様には、音楽が持つ力を感じて止まない。平成ソングのリバイバルは令和音楽シーン、J-POPをより一層面白いものへと進化させる糧になるはずだ。
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