UVERworldとBE:FIRST、音楽と人生への愛を叫んだ日 2組が熱い対バン、互いのカバーも披露

 7月13日から15日まで、代々木第一体育館で開催された『J-WAVE presents INSPIRE TOKYO 2024 -Best Music & Market- supported by TimeTree』。14日の出演者には三浦大知や水曜日のカンパネラなどが顔を並べ、大きな盛り上がりを見せた。

 昨年、後輩グループのMAZZELらと共演を果たしたBE:FIRSTは2年連続で出演。メンバー、SHUNTOが深いリスペクトを持っているUVERworldと熱い対バンを繰り広げ、最終日を大いに盛り上げた。本稿ではその模様をレポートする。

TAKUYA∞

 早々に満員となった会場は、すでにスモークが炊かれたステージへ熱い視線を注ぎ続けていた。むせ返りそうなほどの来場者の熱気の中、最初に登場したのはUVERworldだ。彼らが最初に観客にぶつけた曲は「ナノ・セカンド」。TAKUYA∞(Vo)の煽りに呼応するように観客が叫び出す。

 拍手で一体感を作り上げる「IMPACT」では、イヤモニを外して観客の声をしかと受け止めるTAKUYA∞。さらに「双方のファンが最高に楽しくなきゃ、対バンなんてやる意味ねえんだよ!」と叫び、「PRAYING RUN」を続けて披露。〈全部やって確かめりゃいいだろう〉という熱いメッセージを会場全員で歌い上げる。

 ライブ中、「誰一人置いて行かない」とTAKUYA∞は何度も口にしていた。そしてその言葉通り、crew(UVERworldのファンの通称)はもちろんBESTY(BE:FIRSTのファンの通称)にも度々声をかけ、同じ温度を分かちあおうという想いが感じられた。MCでは昨年8月にBE:FIRSTのメンバー・SHUNTOがSpotifyにて公開したプレイリストについて触れ、セットリストもそこから多数選曲しているのだと明かす。中でもしっとりと歌い上げた「マダラ蝶」は、UVERworldのライブでもあまり披露しない珍しい一曲のため、crewも喜んでくれていると思うと笑顔を見せた。

真太郎

 ライブ中盤、観客が最高の盛り上がりを見せた瞬間があった。観客のセットリスト予想について再びMCで触れ、「BE:FIRSTのライブのとき、TAKUYA∞が絶対『Mainstream』歌いにくるでしょって予想した人? その考察間違ってるよ。『Mainstream』はさ、今から俺たちがやるんだよ」と告げた瞬間、会場が絶叫に包まれる。宣言通り「Mainstream」のイントロが流れ始め、UVERworldのずっしりと爽快感のあるバンドサウンドとコラボレーションし、よりパワフルな楽曲に変貌を遂げていく。TAKUYA∞も低音・高音・ラップなどさまざまな声色を見せながら歌い上げ、まさかのコラボにその場にいる誰もが五感を研ぎ澄ませて注目する。と、ここでさらなるサプライズが。「俺が行くんじゃない、BE:FIRSTが来てくれんだよ!」という一言の直後、BE:FIRSTのメンバーが姿を現し会場のボルテージは最高潮に! SHUNTOのエッジの効いた歌声から夢のコラボレーションは幕を開け、UVERworldの演奏も合わさりヘヴィーなロックナンバーと化した「Mainstream」が実現。その姿は音楽が、今この瞬間が、楽しくて仕方ないという感情に満ち溢れていて、観客も含め全員が歌い踊っていた。

 続いて披露したのは、「ENCORE AGAIN (feat.SHUNTO from BE:FIRST)」。TAKUYA∞とSHUNTOが共作した歌詞が、2人の声を通して真っ直ぐに観客の胸に注がれていく。時折向かい合い、笑い合いながら歌声を重ね合わせる2人の姿は無邪気で、純粋に音楽を楽しむことこそがどれだけ尊く美しいのかを知らしめていた。

 対バンライブの出演が決まったときからセットリストに入れようと思っていたと紹介したのは「在るべき形」。「この曲に勇気づけられてきたSHUNTOが、今度は自分たちの音楽で誰かを勇気づけているのが誇らしい」と語り、UVERworld結成時の苦しい過去を振り返りながら、「それでも俺たち6人は、俺たちの未来に絶望を1ミリも感じていなかった。これからもそう」と叫ぶ。

 デビューから19年経った今もなお、19年前と変わらない音楽への情熱を燃やし続ける6人、それはきっとこの先もそうなのだろう。彼らの音楽は、聴くものの人生・想いを肯定し、命の炎を何倍にも熱く燃え上がらせる。身体の中心から震わされるような激しいドラムやギターのロックサウンド、そして美しく力強い歌声。「明日も、その先も生きるのだ」と決意を固められる、熱い空間がそこにはあった。

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