LOVE PSYCHEDELICO、最高の音楽環境へのあくなき探求 アコースティックツアー収録ライブ“作品”の楽しみ方

 気軽に音楽に触れられるストリーミングサービスと、じっくり音楽に向き合えるレコードが共存する現代の音楽環境は、デジタル、アナログが互いの短所を補完し合い、音楽の楽しみ方の幅がかつてない広がりを見せている。それはライブにおいても同じことが当てはまる。コロナ禍によってライブ配信が一般化すると共に、長く続いた自粛期間によって現場ならではの臨場感や音響に再び脚光が当たることになった。

KUMI(Vo/Gt)

 アナログテープで録音されていた1960~70年代のロック、ポップス、クラシックから受けた影響をデジタル時代の発想や手法によって具現化することで、瑞々しい息吹きをもたらしてきたLOVE PSYCHEDELICOは、2000年のデビュー以来、意識的にデジタルとアナログの共存を模索してきたデュオだ。2019年に初のアコースティックツアー『Premium Acoustic Live “TWO OF US” Tour 2019』を行うにあたって、ただのアコースティックライブを行っても面白くないと考えた彼らは、高音質のカスタムスピーカーを開発。それに対応したハイレゾのデジタルPAミキサーを持ち込むことで、ライブならでは、LOVE PSYCHEDELICOならではの高音質なライブ環境を手に入れた。

NAOKI(Gt)

 そして、彼らが情熱を注ぐ音楽の進化は、高音質環境下で露わになる演奏技術のさらなる向上と、NAOKI(Gt)が手掛けるようになった全国各地のTOHOシネマズの音響監修の経験が投影されることでさらに加速。ライブ表現の見直しが図られている音楽シーンにおいて、LOVE PSYCHEDELICOのステージにはその最前線を切り拓く先鋭性が際立っている。

 前回から4年の歳月を経て、2023年10月に開催されたアコースティックツアーのEX THEATER ROPPONGI公演の模様をBlu-ray/DVDとCD/LPに収録した『Premium Acoustic Live “TWO OF US” Tour 2023』には、デビュー24年目を迎えてなお、歩みを止めない彼らの豊かな音楽世界が広がっている。このツアーはアコースティックギターとマンドリン、パーカッションをプレイしながら、ボーカルとして圧倒的な存在感を放つKUMI(Vo/Gt)、アコースティックギターとエレキギターを巧みに使い分けるNAOKIの2人に加え、星野源、ハナレグミをはじめ、様々なアーティストのライブやレコーディングで活躍しているバイオリン奏者の美央が参加。KUMIがバイオリンを教わるなど、プライベートでの親交を経て、『ARABAKI ROCK FEST.17』の企画ライブ「LOVE PSYCHEDELICO SING BOB DYLAN」にてバンドの一員として初めて一緒に演奏をした両者は、ジャンルを超えた柔軟な音楽性に共鳴し合い、ツアー参加が実現したという。

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