A.B.C-Z 橋本良亮、新体制になり変化したマインド “3回目のデビュー”作への熱意

橋本良亮、A.B.C-Z新体制での変化

 A.B.C-Zが、6月5日に14thシングル『君じゃなきゃだめなんだ』をリリースした。

 2012年にDVDシングル『Za ABC〜5stars〜』でデビュー、2015年に『Moonlight walker』でCDシングルデビュー、そして本作では待望のサブスクデビューも飾った彼ら。結成15周年を迎えた昨年末に河合郁人が脱退し、橋本良亮・戸塚祥太・五関晃一・塚田僚一の4人体制で再スタートを切って以降初のシングルというタイミングにも相応しい“3回目のデビュー”作である。

 リアルサウンドでは、グループのセンターを務める橋本に単独インタビュー。「絶対いいものにしたい、絶対成功させたいという責任感が強かった」という本作のレコーディングの話題をはじめ、新体制になり変化した自らのマインドやメンバーとの関係性、さらには入所20周年を迎えた個人としての目標についても語ってもらった。(編集部)

河合郁人が脱退、4人体制での再スタート

――昨年末に行われた舞台『ABC座星(スター)劇場2023 ~5 Stars Live Hours~』千秋楽を以って河合郁人さんが脱退し、A.B.C-Zは4人体制となりました。河合さんから脱退すると聞いたのはいつ頃だったのですか?

橋本良亮(以下、橋本):最初に聞いたのは、一昨年の12月くらい。いろいろなことが重なって卒業が伸びていたんです。でも去年は塚ちゃん(塚田僚一)がお休みをしてライブができなかったから、年末に舞台という場で卒業できたのはよかったですよね。

――千秋楽の日、河合さん、泣いていましたね。


橋本:めちゃくちゃ泣いてましたね。僕も10年以上一緒にやってきたから泣くかと思ったけれど、泣かなかった。もうその時は、A.B.C-Zとして4人で前に進むという気持ちが大きくなっていたからかな……。でもこの日の映像作品が出せたのはよかった。これまで『ABC座』は出せていなかったから。河合くんの勇姿とともに、他のグループの曲もいろいろ歌わせていただいているので、「A.B.C-Zがこの曲を歌うとこうなるんだ」というところも楽しんでもらえると嬉しいです。

――4人体制となって初のパフォーマンスが4月10日、東京ドームで行われた『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』でした。

橋本:5人から4人になったとはいえ、気持ちは5人のままで、減った感じはなかったですね。自信満々で臨んだけど、実はちょっと緊張したし、心配もしていたんです。終演後にスタッフさんや関係者のみなさんに「減った感じがしなかった」と言われて、めちゃくちゃ安心したし、なんならテンションが上がって(笑)。僕たちの再スタートとしては、嬉しい言葉でしたよね。会場のみなさんの反応が温かかったのも、僕らには大きかったです。

――昨年の大晦日はカウントダウンコンサートがなかったので、事務所のアーティストが一堂に会したのは久しぶりでしたね。

橋本:そうなんですよ。相変わらずステージ裏では、いろいろなグループのみんなと喋りっぱなしでした。それにこういう機会があったからこそ、ちゃんとみんなが一つになって新しいスタートが切れた気がします。

新体制初シングルは念願のイメージ “イズム”が感じられる一曲に

A.B.C-Z 14th Single Digest Movie

――ここからは、新曲についてうかがっていきましょう。新体制初シングルの表題曲「君じゃなきゃだめなんだ」の方向性は、どのように決めたのでしょう。

橋本:何曲かのデモの中から選んだのですが、僕と五関(晃一)さんは、「君じゃなきゃだめなんだ」を推しました。メロディがよかった。聴いた時にすぐ、「絶対この曲を出したい!」と思いました。

――昔の少年隊やKinKi Kidsの感じというか、A.B.C-Zでいうと名曲「Vanilla」の感じがするというか……。

橋本:そう! だからこれを選んだんです。ファンのみなさんが「Vanilla」のような曲を好きでいてくれているので。でも今までのシングルにこの路線がなかった。「砂のグラス」とか、カップリングにはめちゃくちゃあるのに(笑)。

――年齢的にも合いますしね、この世界観。

橋本:確かに。「Vanilla」なんてすごい大人な歌詞を15歳で歌ってましたからね(笑)。やっと追いついてきたかな。嬉しいですよ。

――いろいろな念願叶っての「君じゃなきゃだめなんだ」ですね。

橋本:そうなんです。今まで以上に聴き込んで、家の風呂場でもめちゃくちゃ練習しました。これまでのシングルの中で一番練習したかも。僕が出だしを担当しているんですけど、しっかり入り込めて、レコーディングもバッチリで。欲張ってもう1テイク録ってもらうくらい追求しました。この曲が4人のスタートになるから、絶対いいものにしたい、絶対成功させたいという責任感が強かったのかもしれないです。


A.B.C-Z「君じゃなきゃだめなんだ」 Music Video

――MVは、懐かしの『ザ・ベストテン』のような演出が面白かったです。

橋本:あの雰囲気、曲にも合ってますよね、ちょっとクラシックな感じで。

――ダンスも昭和〜平成っぽい感じですよね。

橋本:そう、そういった時代を意識したらしいです。ダンス、難しかったんですよ。4人のフォーメーションも初だから。歌だけじゃなく、振付けもめちゃくちゃ頑張りました。撮影前日にしっかり予習して。

――とはいえA.B.C-Zは、振り入れが早いじゃないですか。

橋本:ここだけの話、戸塚(祥太)さんがめちゃくちゃ手こずってました。ギターばっかり弾いてるからだよ(笑)。

――(笑)。撮影はどうでしたか?

橋本:いつもより、集中していた気がするし、前向きな空気でしたね。「4人で盛り上げていこう!」という気持ちが感じられた。緊張感はあったけど、ラフな感じもありましたね。

――ベテランといわれるポジションにいながら、新しい経験ができるって貴重ですよね。


橋本:そう。こんなに長くやらせていただいているのに、こんな気持ちは初めてでした。30歳になっても「まだこういう感情を持てるんだ」と思えましたね。

A.B.C-Z 橋本良亮(撮影=池村隆司)

――この曲から、新曲のサブスクが解禁になります。

橋本:めちゃくちゃ嬉しい。待ちに待っていたから。もちろんCDショップにも行ってほしいけど、A.B.C-Zを知らない人が友達のプレイリストから知ることもあるだろうし、ベスト盤もサブスクにあるから気軽に聴いてみてほしいですね。

――タイトルにかけて、橋本さんの「これじゃなきゃだめなんだ」というものを教えてください。


橋本:この流れで唐突ですが……サツマイモですね(笑)。炭水化物は米よりサツマイモです。紅天使という品種がおすすめ。焼き芋で売っている時は、自分で干芋にしています。それを寝る前に絶対に食べる。紅天使がない時は、紅はるかとかシルクスイートでもいい。でも紅天使は、甘さが全然違うんですよ。


――サツマイモ愛、スゴイですね(笑)。盤ごとのカップリングについても簡単にうかがいたいと思います。初回限定盤Aの「Hallelujah」は?

橋本:ライブのアンコールに入ってきそうな感じ。みんなと一緒に手を広げて歌っているのが想像できる。まだライブは決まってないですけど、披露してみたいですね。

――初回限定盤Bの「One Way Blue」は、すごくメローな曲ですが。

橋本:個人的にも好きな曲です。カフェとかでも流れていそうな感じだし、SNSで流れてきたら「いいじゃん」って思いそう。Aメロは僕なのですが、すごく気持ちよく歌えました。A.B.C-Zって激しい曲やダンスチューンが多いから、こういう曲がほしかったんですよ。ディナーショーが似合うかも(笑)?


――通常盤の「花束のステージ」は、ちょっとファンキーな感じで。

橋本:SMAPさんっぽくて、河合さんが好きそうな曲だなと思いました。踊ってもいいし、踊らなくても成立しそう。でも踊るんだったら、五関さんに振付けしてほしいですね。

――そして通常盤の「STELLA」は?

橋本:カップリングの中で一番歌うのが難しかったです。作者の竹内アンナさんの歌うデモがすごすぎて、ハードルが上がっちゃった(笑)。聴いているだけで包み込まれるような感じがして、それを意識しすぎてめちゃくちゃ苦戦しました。でも、みんなで歌ったのを聴くと収まりがいいんですよ。A.B.C-Zってそういうことがよくあるんですけど、今回も改めて感じました。

――包み込めました?


橋本:まだファンのみなさんの前で歌っていないから、そこはわからない(笑)。どれもいい曲だけど、みんなはどの曲が好きなのかな? 気になります。

4人での試練はこれから 「もっと楽しませるし、期待を超えます」

――この曲から4人の活動が始まります。今、どんな実感があるのでしょう。

橋本:ライブや舞台が決まって、4人で挑むとなった時に、きっとどこかしらでつまずくと思うんですよ。打ち合わせなのか、振付けなのか、歌なのか……。ライブの歌割りも全部変わるから、そこも苦戦するでしょうし。試練はこれからですね。怖いな(笑)。でも、それを含めての河合さんの卒業。「これから頑張ります」という気持ちも込めて河合さんの背中を押したから、全身全霊でやっていきたいですね。

――グループの第2章が始まります。今後のA.B.C-Zについて、メンバーで話し合ったりしているのですか。


橋本:直接的に話し合ったわけではないけど、一人ひとりの想いはもちろんありますよね。僕だったらファンのみなさんに寂しさを感じさせたくないし、5人時代よりもすごいと思えるように頑張りたいという想いがある。実は戸塚さんから「4人で集まって、ご飯を食べながら今後の話をしよう」というグループメールが来たんですよ。僕が仕事で行けなくて実現しなかったのですが、戸塚さん、今までそんなことしたことなくて……。だからこれまでとは違ったそれぞれの想いは相当あると思いますね。


――4人になってどうなっていくのか、ファンも楽しみにしていると思います。

橋本:ぜひとも楽しみにしていてください。 もっと楽しませるし、期待を超えますから。

――新体制になって、YouTubeチャンネルもスタートしました。

橋本:まずは今までのMVをまとめて観てもらうのが目標。徐々に企画もやりたいですよね。僕だったら、料理をするとか(笑)。


――クッキー、作ってください。


橋本:そうそうそう。再生数関係なしならやりたいです。それにしても、五関さんが心配(笑)。


――五関さんは、ゲーム実況?


橋本:Xも更新しないから……(笑)。塚ちゃんは犬とお散歩とか。戸塚さんはギターを弾くとか、やりたいことをやっていけたらいいなと思います。

A.B.C-Z 生配信 Vol. 3 - 14th SG 発売記念!-

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる