松本孝弘、稲葉浩志、HYDE、INORAN……ソロツアーで新たな一面を見せるキャリアアーティスト

 バンドなどでキャリアを長年積み上げてきたベテランアーティストのソロライブが熱い。B'zの松本孝弘(Gt)を皮切りに稲葉浩志(Vo)、L'Arc〜en〜Cielのhyde(HYDE/Vo)、LUNA SEAのINORAN(Gt)が相次いでライブツアーを開催するのだ。今回は、そんな彼らの直近の活動やソロライブの魅力について紹介していきたい。

 まずは、すでに8年ぶりのソロツアー『Tak Matsumoto Tour 2024 -Here Comes the Bluesman-』がスタートしている松本孝弘。言わずと知れたB'zのギタリストである松本は、ラリー・カールトンとのコラボアルバム『TAKE YOUR PICK』(2010年)で『第53回グラミー賞』の最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞し、今年にはMR.BIGのエリック・マーティン(Vo)、Night RangerやDamn Yankeesのジャック・ブレイズ(Ba)とのバンド TMGも20年ぶりに再始動予定。松本のギターの魅力は、B'zのギタリストとしてだけではなく日本を代表する“Tak Matsumoto”として燦然と輝いている。

松本孝弘 / DVD & Blu-ray「The Voyage at 日本武道館」DIGEST

 そんな松本が開催中のソロツアーは、BLUE NOTE TOKYOや東阪のビルボードライブといった会場をめぐり、松本の出身地である大阪府豊中市の豊中市立文化芸術センター大ホールで千秋楽を迎えることになっている。豊中市名誉市民でもある松本が、晴れてライブ演奏をもって故郷に錦を飾ることになるのだ。まだツアー真っ只中ということもあり、多くを語ることはできないが、2020年リリースのソロアルバム『Bluesman』の楽曲を中心に、意外なカバー曲も披露されている。B'zのライブでは、あくまでバンドの一部として時にはサウンドをリードし、時には下支えする松本のギターだが、贅沢にもソロライブでは全編を通して彼のギタープレイが主役である。アリーナやスタジアム規模でのダイナミックなB'zのライブとは違い、落ち着いた雰囲気の会場をまわる今回のソロライブツアーは、松本のギターを堪能するにはこれ以上ない機会だろう。

 そして、松本のツアーを追いかけるように6月から開催されるのが、稲葉浩志のソロツアー『Koshi Inaba LIVE 2024 〜enⅣ〜』と、その前哨戦にあたる『Koshi Inaba LIVE 2024 〜en-Zepp〜』である。『LIVE 2024 〜enⅣ〜』ではアリーナクラスの会場をまわるのに対して、『LIVE 2024 〜en-Zepp〜』はZepp Haneda (TOKYO)に腰を据えた6日間のレジデンシー公演だ。今回のソロライブツアーは、「稲葉浩志の“オールタイムベストライブ”の可能性を秘めた」と謳われているだけあり、どのようなセットリストが用意されているのか非常に楽しみである。

 そして、B'zファンとして見逃せないのがサポートメンバーの布陣。ドラムにシェーン・ガラス、ベースに徳永暁人、キーボードにサム・ポマンティ、ギターにDuranと、これまでもB'zや稲葉のライブで共演してきた面々が揃っている。特にDuranのギターサウンドと稲葉のボーカルによる、B'zのライブでは見られない新たな化学反応がソロライブの注目ポイントのひとつだ。また、ひとりのボーカリストであり、ひとりの人間である稲葉の表情を感じることができるところもソロライブならではの大きな魅力だろう。

 昨年、ソロとしては約7年ぶりのライブとなる『Koshi Inaba LIVE 2023 〜en3.5〜』を開催し、配信限定シングル「BANTAM」「Stray Hearts」をリリースするなど徐々にソロ活動のギアを入れてきた稲葉。今年のソロツアーを足がかりに10年ぶりの新作ソロアルバム『只者』への期待もいよいよ膨らむ。

稲葉浩志 / BANTAM

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