階段に腰掛けて歌った「FEARNOT（Between you, me and the lamppost）」で第2部に別れを告げ、VCR明けに再度登場した5人。さっきまでのチュール衣装とは打って変わってストリートテイストの黒衣装を身に纏い、先月出演した『Coachella Valley Music and Arts Festival 2024』（以下、『コーチェラ』）で初披露した「1-800-hot-n-fun」をサプライズパフォーマンスした。さらに、「UNFORGIVEN」も、『コーチェラ』を想起させるロックバージョンで魅せ、会場のボルテージをもう一段階引き上げていく。HUH YUNJINは「1-800-hot-n-fun」について、「（『コーチェラ』で）初公開されたあと、『FEARNADA』でぜひやってほしいというFEARNOTの声が本当に多かったんです」「ダンサーの方々と一緒にやったバージョンでファンミーティングでもお見せしたかった」と話し、この日を心待ちにしていたことを窺わせた。

　楽しい時間もあっという間に終盤。リーダーのKIM CHAEWONは、「楽しかったぶん、終わりたくない気持ちはみんな一緒だと思いますが、今日FEARNOTの皆さんからいただいた愛と応援でLE SSERAFIMはもう一度前に進む力を得られました」と感謝を伝える。「FEARNOTと一緒だからこそ、すべての歩みはさまよいではなく冒険になる」という気持ちを込めた「EASY」で本編は幕を閉じた。

　アンコールでは、ユニコーン（HUH YUNJIN）、サメ（HONG EUNCHAE）、トラ（SAKURA）、クマ（KAZUHA）、ハチ（KIM CHAEWON）の着ぐるみを着て登場。「Perfect Night」とバンドサウンドの「Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife」で音楽的表現の幅広さを強固なものにしてみせた。今回の楽曲パフォーマンスでは、全体を通じて『コーチェラ』のステージをプレイバックさせるアレンジも印象的だったように思う。

　「去年に続きFEARNOTとファンミーティングができて私たちもすごく楽しかったです」「いつもそばで応援してくれて、心からありがとうございます。私にとってFEARNOTは失ったらダメな存在です」「多くのアイドルのなかからLE SSERAFIMを選んでくれてありがとう」「責任を持ってLE SSERAFIMをやりますから、これからもたくさん思い出を作りましょうね」――そんな溢れんばかりの愛が詰まった言葉で閉幕したファンミーティング。雨模様で足元の悪いなか集まったFEARNOTを何度も気にかける彼女たちの気遣いも、LE SSERAFIMとのハイライトのひとつに加わったのではないだろうか。

　ソウル公演を終え、夏に本ファンミーティング初の日本公演を控えるLE SSERAFIMは、6月29日、30日に兵庫・神戸ワールド記念ホール、7月6日、7日に愛知・ポートメッセなごや 第1展示館、7月13日から15日にかけて神奈川・ぴあアリーナMM、7月30日、31日に福岡・マリンメッセ福岡A館と、全4都市9公演をまわる予定だ。

　新たな挑戦でチャートでも存在感を見せつけた3rdミニアルバム『EASY』リリースに加え、世界的な音楽フェスへの出演も果たした今年も、彼女たちは天井知らずの躍進を続けてくれるに違いない。ヒーロー映画のエンドクレジットを思わせるVCRの「LE SSERAFIM will return」（LE SSERAFIMは帰ってくる）という文字通り、“その時”を楽しみにしていたい。

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