MOONCHILD、切磋琢磨しながら鮮やかに輝いた5人だけの物語 活動終了迎えたグループの軌跡

 異なる個性を持つ5人が集結したMOONCHILDのグループコンセプトは、デビューEPのタイトルにも重なる“Delicious Poison”。少女らしいあどけなさや可愛らしさを見せたかと思えば、クールな表情やセクシーな表現で見る者を圧倒する。新人グループとは到底思えないほどのハイレベルなパフォーマンスを見せてくれたMOONCHILDは、その名の通り、まるで月が満ち欠けするように、楽曲ごとに多面性に富んだ魅力を発揮してきた。

 『DELICIOUS POISON』の収録曲である「Don't Blow It!」は、踊り出したくなるようなノリのいいビートに乗せ、自信たっぷりの強気な女の子の姿を歌う、勢いに満ちた曲。MVには、ハーレイ・クインのようなロックスタイルで歌うRUAN、ストリートファッションでクールにラップを決めるMIRANO、白鳥のように儚く美しい姿で舞うANRI、ドールのように華やかなスタイルで天真爛漫に笑うHANA、スウィートな声でセクシーに魅せるUWAと、それぞれのキャラクターを際立たせたソロパートも映し出されており、バラバラでありながらも全員が主役級の存在感を放つグループであることが一目でわかる。オーディション時の“つい応援したくなる一生懸命な少女たち”から、「私たちについてきて!」と高みへ引っ張っていってくれそうなアーティストへ、この曲で華麗に変貌を遂げた彼女たちに、心を掴まれたファンも多いのではないだろうか。

MOONCHILD | "Don't Blow It! -Japanese ver.-" MV

 同EPの2曲目「Photogenic」は、エッジの効いた中毒性の高い曲。「Don't Blow It!」よりもさらに強い意思と誇りが綴られた歌詞には、“自分の存在そのものがフォトジェニックである”というメッセージが込められている。そのメッセージは、MOONCHILDのマインドの核となる“Love Your Neighbor=身近にいる人を愛そう”という考え方にも繋がっていて、ゆくゆくは彼女たちが世界で活躍することの意義にも繋がるものだったのだろう。複雑なリズムとスピードに乗るだけでも大変そうな難易度の高い曲だが、5人はフル英詞を完璧な発音で歌い上げており、「Don't Blow It!」と合わせて、“世界を目指すガールズグループ”という言葉に説得力を持たせる楽曲であった。曲の頭はRUANの耳に残る唯一無二の声から始まり、MIRANOの勢いよく飛んでくるラップとUWAの甘くセクシーなラップの対比、そしてANRIの透明感のあるボーカルから、HANAの伸びやかで芳醇なボーカルへと続く。声の表現だけでも、5人のパフォーマンスレベルの高さと多彩な魅力が感じられるだろう。

MOONCHILD | "Photogenic" MV

 その他、ダークでコケティッシュな一面を見せた「Bzz Bzz」、ティーンエイジャーらしい爽やかでキャッチーな「Friends Are For」、大人の女性らしい艶っぽさを極めたチルな「Warning」など、楽曲ごとに次々と変わる世界観や表現は、ファンの心をワクワクさせ続けた。「Don't Blow It! -Japanese ver.-」のMVは348万回以上、「Photogenic」のMVは591万回以上(5月10日時点)再生されており、その数字が裏付けと言えるだろう。

MOONCHILD | "Friends Are For" MV

 今後の活動について、ANRIとMIRANOはØMIがプロデュースするプロジェクト・CDL entertainmentのサポートの下で活動を継続。活動休止中のRUANはLDHのサポートを受けながら音楽制作活動へ。UWAはダンスを中心に新たな可能性に挑戦するため、HANAは学業に専念するため、LDHを退社すると発表されている。

 先述したように、個々としても確かな才能を持ち、MOONCHILDの活動を通してさらに成長を遂げたメンバーだからこそ、今後も音楽活動や表現活動を続けるANRI、MIRANO、RUAN、UWAには変わらぬ期待を寄せたい。そして、HANAも含めた5人の未来に多くの幸せが訪れることを祈りたい。

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