ザ・リーサルウェポンズ、“夢と偏愛”に満ちたライブこそが真骨頂 怒涛のBlu-ray16作を徹底解説

 『LIVE IN GUMMA』は2023年夏、アイキッドの出身地・群馬県の県庁ビル前特設ステージでのパフォーマンス。群馬での思い出を歌にした「Super Cub is No.1」などを熱演し、故郷でのライブに「感慨深いです。軽く泣きそう」とつぶやく、いつになく人間味あふれるアイキッドの姿も見られる。そして現在の地元・中野区へ戻り『中野駅前大盆踊り大会 2023』へ。昨年よりカメラの台数も増え、声出しも解禁された。ライブ前の2人だけのルーティン儀式(アメフト式)をステージで披露したり、地元らしいリラックスぶりも楽しい。全6曲と短めだが、おそらくポンズを知らない人も巻き込んだ、観客の盛り上がりも上々だ。

【CM】 LIVE IN GUMMA 2023
【CM】中野駅前大盆踊り大会 2023

 2023年9月、川崎ラ チッタデッラで開催されたメジャー2ndアルバム『OKシンセサイザー』発売記念フリーライブ『LIVE IN KAWASAKI 2023』は、観客がぐるりと取り囲むすり鉢状の屋外ステージで、臨場感がハンパない。アイキッドも「圧を感じる」とビビリながらも、ボケのジョーとツッコミのアイキッドの呼吸が漫才師の域に近づきつつある得意のトーク、そして新作からの「ボウズ」など盛り上がる曲連発で30分を駆け抜ける。『LIVE IN OSAKA 2023』も同じフリーライブシリーズの大阪公演だが、アイキッドが諸事情により“改造中”のため、サイボーグジョーがMCもすべて仕切るのが珍しい。大阪なので「なんでやねん」もやってくれるサービス精神が嬉しい。すべてのライブは一期一会なり。

【CM】LIVE IN KAWASAKI 2023
【CM】LIVE IN OSAKA 2023

 さぁ、いよいよここまで来た。『地獄の国技館バトルロイヤル』は、ポンズ史上最大のキャパシティに挑んだスペシャルライブ。演出&脚本家・アイキッドがストーリーを練り、音楽とプロレスが絡み合い進行する超娯楽エンタテインメントだ。豪華ゲストのパフォーマンスはすべて収録されてはいないが、スーパー・ササダンゴ・マシンと絡む本気のプロレス、Shinnosuke(ex. SOUL'd OUT)らが参戦した「マハラジャナイト」、ハリウッドザコシショウと共演する「さよならロックスター」など、華やかなシーンが盛り盛り。

【CM】地獄の国技館バトルロイヤル 2023

 そして15枚目『HAPPY NEW YEAR TOUR 2024 IN TOKYO』は現時点での最新映像、2024年1月の恵比寿LIQUIDROOM公演を収録。「80年代アクションスター」から「きみマザ」まで、ハードロックでシンセでダンスな80's&90'sリスペクトの様式美に貫かれた代表曲を連続投下。もはや楽器も持たずに踊る「仮想通貨サンバ」など、何をやってもポンズでしかない、揺るぎない世界観を堪能できる。

【CM】HAPPY NEW YEAR TOUR 2024 IN TOKYO

 おっと、もう1作残っていた。16枚目『Behind the scenes』はライブではなく、群馬県出身のアイキッドが幼い頃に住んでいた前橋市を散策するもの。サイボーグジョーと2人で敷島公園や実家跡地を巡る前半と、ライブハウス・前橋ダイバーの楽屋で幼少期の思い出などを語る後半の二本立て。お散歩番組と人物ドキュメンタリーが合体したような、番外編として楽しめる映像だ。

【CM】Behind the scenes

 すべて観終えて痛感するのは、アイキッドの構想したザ・リーサルウェポンズのコンセプトは当初から不変だということで、80'sと90'sのカルチャー、映画、ハードロック、ゲーム、プロレスなど、アイキッドの夢と偏愛がぎゅうぎゅうに詰まったポップな様式美の世界は、どの曲を聴いても、どのライブを観ても変わらない。そしてその世界観を完璧に表現する、けなげで真面目な、サイボーグジョーの面白外国人キャラクターへのなりきりぶり。『Behind the scenes』の中でジョーも言っていたが、やはり2人の出会いは「運命」だったのだろう。どの1枚を手に取っても、全編笑って盛り上がりながらも後味はしみじみと、人間味に溢れている。ザ・リーサルウェポンズのBlu-ray16タイトルはそんな作品だ。

※1:https://realsound.jp/2022/03/post-995563.html

■リリース情報
ザ・リーサルウェポンズ
Blu-ray Disc16作品同時リリース
1.コンバンワンマン2020 IN TOKYO SEXL-275/2,900円
2.都立家政ブックマートライブ 2020 & 2022 SEXL-276/2,900円
3.新宿バトルロイヤル 2021 SEXL-277/3,900円
4.ポンズの野望TOUR 2022 IN TOKYO <FINAL> SEXL-278/3,900円
5.YOKOHAMA TOPGUN RESPECT 2022 SEXL-279/2,900円
6.中野駅前大盆踊り大会 2022 SEXL-280/2,900円
7.大コンバンワンマン 2022 IN 中野サンプラザ SEXL-281/3,900円
8. BACK TO THE 80'S TOUR 2023 IN FUKUOKA <FINAL>  SEXL-282/3,900円
9. E.P.ウソつかない IN ZEPP SHINJUKU 2023 SEXL-283/3,900円
10.LIVE IN GUMMA 2023 SEXL-284/2,900円
11.中野駅前大盆踊り大会 2023 SEXL-285/2,900円
12.LIVE IN KAWASAKI 2023 SEXL-286/2,900円
13.LIVE IN OSAKA 2023 SEXL-287/2,900円
14.地獄の国技館バトルロイヤル 2023 SEXL-288/4,800円
15.HAPPY NEW YEAR TOUR 2024 IN TOKYO SEXL-289/3,900円
16.Behind the scenes SEXL-290/2,500円

■ライブ情報
『OKシンセサイザー全国ツアー』
5月12日(日)F.A.D横浜
5月17日(金)札幌cube garden
5月24日(金)NAGOYA CLUB QUATTRO
6月2日(日)UMEDA CLUB QUATTRO
6月7日(金)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
6月15日(土)柏PALOOZA
6月22日(土)福岡Drum Be-1

ザ・リーサルウェポンズ 公式HP

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