WEST.、BE:FIRST、KID PHENOMENON、Lienelがチャート揃い踏み 曲に表れる各グループの強み
そして3位は、EXILE TRIBE新世代の一角をなすKID PHENOMENONによる『ONE DAY』。歌声のスウィートな魅力を存分に活かす、ポップなミドルテンポのボーカルチューンだ。シンプルだが力強いメロディと、肩の力を抜きながらも未来へ踏み出そうとする歌詞がマッチして、ポジティブなエナジーに満ちている。「Ace In The Hole」や「Show U Light」といった収録曲も含め、歌メロのほかにも魅力的なリフやメロディで組み立てられた楽曲はジャンルを問わずカラフルな印象を残す。けれどもボーカルのパフォーマンスは実は結構クールで、そのコントラストがグループとしての安定感を感じさせて頼もしい。
最後に取り上げるのは、スターダストプロモーションのアーティスト集団EBiDANの新メンバーオーディションから誕生し、昨年デビューを飾ったばかりのLienelがリリースする3枚目のシングル、『Melty flowers』だ。80sテイストのきらびやかでファンキーなサウンドと歌謡曲をも思わせるメロディラインが癖になる表題曲や、同じ方向性をもう少しクールに展開させたような「Baby Girl」(TYPE-Bのみ/シンセベースやトークボックスなどツボをついたアレンジが絶妙)など聴き逃がせない良曲が収録されている。現代的なボーイズグループの研ぎ澄まされたプロダクションに比べると線が細いようにも思えるけれど、刺さる人も少なくなさそうな作品だ。
当然ながら各者各様、それぞれのグループの強みと目指すものが音源のなかにも表れている。かつ、CDデビューから数えても10年選手のWEST.を例外として、ここ数年勢いが続くボーイズグループの活況のなかで登場した若いグループばかり。もうしばらくは、このシーンが魅力的な楽曲が生まれるゆりかごになってくれそうだ。