フィロソフィーのダンス『NEW BERRY』で開いた新しい扉 歌の中で光る5人の鮮やかな個性

 フィロソフィーのダンス――この名前をそのまま体現し“魅せる”ことができる5人が揃っているのが、フィロソフィーのダンスというグループの最大の魅力だろう。2020年、結成5周年でメジャーデビューした彼女たちは、デビュー前からアイドルファンだけでなく、その楽曲のクオリティで音楽ファンから注目を集めていた。オーセンティックなファンクやソウル、ディスコのグルーヴを軸にしたエモーショナルでゴージャスな楽曲群。人生観にも通ずる哲学的(フィロソフィー)な歌詞。ソウルマナーを彷彿とさせるポーズや振り付けも取り入れたコミカルなダンス。ブラックミュージックはもちろん、日本の音楽史、そしてアイドル史に対するリスペクトとオマージュが散りばめられている。

 このオマージュに命を吹き込み、令和版にアップデートして体現するのが、奥津マリリ、佐藤まりあ、日向ハル、木葭のの、香山ななこの5人だ。それぞれが担当カラーを持つアイドルらしい布石もありながら、5人それぞれがボーカリストとしても際立つ実力と個性を持っている。さらに、ユニゾン、コーラス、ハーモニー、ラップ、掛け合いなど、1曲の中で多彩なボーカルフォーメーションを展開できるのも、他のグループにはない大きな武器だ。ユニゾンがほとんどなく個々のメインパートが多い歌割りも、アイドルというよりボーカルグループに通ずるものがある。

フィロソフィーのダンス「シュークリーム・ファンク」MV

 デビュー当時の4人体制から、2022年に現在の5人体制となり、2023年4月クールのテレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』第1期(TOKYO MXほか)エンディングテーマ「シュークリーム・ファンク」のヒットで、ファン層と知名度を一気に拡大したほか、モーニング娘。'24の小田さくらをゲストに招いて2024年2月にZepp Haneda(TOKYO)で開催したフリーライブを大成功に収めたことも記憶に新しい。

 新体制になり、一気にギアを入れてきたフィロソフィーのダンスが、3月13日、ニューアルバム『NEW BERRY』をリリースした。グループにとってメジャー2ndアルバムとなる本作は、管楽器がブロウするゴージャスなファンク、フィリーソウルを思わせるロマンチックで爽やかなナンバー、ジャジーなリズムがムーディなブラックコンテンポラリーなど、これまで培ってきたブラックミュージック然とした音楽性を踏まえつつも、新たなサウンドへの扉を開いている。

 例えば、本作の先行配信曲となった「ムーピー・ゲーム」ではジャージークラブのビートに挑戦しているし、「キュリアス・イン・ザ・モーニング」はハウスのビートをメインにしながらも、メランコリックで洒脱なメロディ、クールでスムースなグルーヴで80年代ハウスとシティポップを融合させたような1曲になっている。さらに、ドラムンベースのビート、ヒップホップのノリ、エレクトリックなアレンジと、多彩な要素が散りばめられていることに加え、メリハリある楽曲展開がスリリングな「ポジ子とネガ乃」、シャッフルビートを軸にしながらサビでドメスティックなメロディが駆け抜けるスピードチューン「永遠オーバーヒート」では、5人の滑舌の良さ、リズム感の良さが際立っている。

フィロソフィーのダンス「キュリアス・イン・ザ・モーニング」MV
フィロソフィーのダンス「ポジ子とネガ乃」MV
フィロソフィーのダンス「永遠オーバーヒート」Lyric Video

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