美 少年、どんな曲も自分たちのものにするテーマパーク “六者六様”の世界観で満たした横浜アリ公演

 MCでは、この公演で初披露された浮所飛貴の赤髪について触れられていた。前日夜公演では黒髪だった浮所を岩﨑が「少年忍者の山井飛翔くんです!」とボケて紹介する一幕も。さらに続けて那須が「いつ染めたの? それ」と質問すると、「今日の朝! いつも行く美容院の方にお願いして、朝4時に起きて5時から3時間くらいかけて染めてきた。本当は横アリ初日に間に合わせたかったんだけど、お仕事で時間が合わなくて……」と浮所。これを聞いた金指は「でも昨日は黒髪で、今日は赤髪だから、どっちも見れた人は嬉しいんじゃない?」とポジティブに返答した。

 さらに、新曲「魔法の夜」でピンク髪の藤井直樹と顔を見合わせる振り付け部分では、赤い汗が流れていないかを確認しあっていたと2人。これを聞いた佐藤龍我は「(髪色が)暖色兄弟だね」とコメントし、会場からは新たなコンビ名誕生に歓声が上がっていた。

 さらに、MC終盤には藤井の一声で、大学を無事卒業した浮所と那須に会場から「おめでとう!」と祝福の声が送られる場面も。終始、彼ららしく和やかな雰囲気で、会話が繰り広げられていた。

 MCを挟んで登場した藤井は森の中を探索するような世界観を表現しながら「秘密」(二宮和也)を披露。ゆっくりと歩いてセンターステージに登場した佐藤は、自身が作詞を務めたオリジナル曲「To You」をピアノ演奏で披露。タイトルにふさわしく“キミ”に向けてエールを送るような楽曲を終えた後、にっこりと笑顔を見せ安堵すると、会場からは彼の挑戦を激励するような歓声と拍手が送られていた。

 岩﨑のソロパートでは本人が作詞・作曲したオリジナル曲「We're gonna be a star」で会場を魅了。「(会場の)上の上も、端の端も全員置いていかないからね!」と言い、会場の団結力を高める岩﨑らしいステージを見せた。続く浮所飛貴はSixTONESの「Mad Love」でステージをベッドに見立て、枕を抱き歌う。その姿は明るく元気な浮所のイメージからはかけ離れたダークな印象で、新たな一面を見せていた。

 再び集結すると「Boom SHAKALAKA」からのダンスブレイクで怒涛の追い込み。美 少年のクールでダンサブルな一面を見せつけた最後には火花に囲まれる中「Flicky」で、会場のボルテージをもう1段階上げていた。

 本編の最後には、2021年に公開された浮所が主演を務めた映画『胸が鳴るのは君のせい』の主題歌にも起用された「虹の中で」を爽やかにパフォーマンス。王道アイドルとしての魅力を持ち合わせている6人が、とびっきりの笑顔で歌唱し、カメラにアピールする姿は、まだまだ終わってほしくないと望む観客に、またすぐに会えることを約束するかのようなポジティブなパワーで溢れていた。アンコールでは「Super Boy」と「Compass」、雰囲気の異なる2曲を披露。3つの世界観を表現した可動式のセットの中に去ってゆき、テーマパークのような2時間のステージはフィナーレを迎えた。

 実は6人全員がソロ曲を披露したのは、今回が初めて。そのステージは、今回のツアーグッズの1つ、ジャンボうちわの裏面を一人ひとりがプロデュースし、あえて統一されていないのと同様、まさに“六者六様”だと感じた。その一方、6人のステージには、どんな楽曲であれ、まとまりを感じる。それは、6人がお互いの個性に寄り添い合える、幅広い表現力を持ち合わせているからなのだと再確認させられるようなステージであった。

 また、6つの“Gates”から登場した6人が、ファンと共に1つのステージを作り上げ、6つの“Gates”へと再び戻っていく構成は、まさに個人としてもグループとしても活躍をする今の美 少年の姿を体現していたようだった。王道らしく爽やかで前向きな楽曲はもちろん、大人っぽくクールなパフォーマンスをも、自分たちのものにするテーマパークのようなステージ。今後、6人がどんな世界へと連れて行ってくれるのか楽しみにしたい。

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