HiHi Jets、アイドルとしての実力を見せつけたステージ リッチな演出で見応えあるアリーナツアーに

 その後の「Crazy Accel」(A.B.C-Z)では黒に金のアクセントを入れた衣装に着替え、洒落たベースの音が一気にジャズコンサートのような雰囲気に導く。「Fly」(SMAP)では金の煌びやかなジャケットとハットを身に着け上下するステージに乗った5人を一色のライトが照らし、HiHi Jetsのカラフルなコンサートのイメージを一旦封印。無駄がなく洗練された側面を見せることで彼らの魅力に奥行きが生まれたような一曲だった。

 かと思えば、髙橋・橋本・作間のユニット曲「Mrs. Flamingo」ではフラミンゴの着ぐるみのような衣装を着て登場し笑いをかっさらう。しかし情熱的なサンバ調の楽曲のクオリティは高く、彼らのエンターテインメントには楽曲の良さが担保されていることが感じられる時間だった。猪狩自ら作詞作曲を手掛けたソロ曲「luvitch」ではピアノを披露。半球型のセットの中に花びらが舞う様子はスノードームにも見える美しさがあり、シェルターに閉じ込められたような姿は心の痛みを歌ったリリックとの相乗効果で曲の世界観を強固なものにした。

 雰囲気を一転して爽やかで明るい「Dear WOMAN」(SMAP)と「Oh Yeah!」(嵐)でコンサートの終焉へ向かってギアを上げていく。サビで揃って揺れる5色の光には花畑が風に吹かれるような希望溢れる唯一無二の美しさがあった。それぞれが想いを述べた挨拶後は「HiHi Jets to the moon」に続く「HiHi Jets」で何度聴いても色褪せることのない楽曲の良さを再確認する。本編ラストは新曲「TODAY」。炎の特効で派手に飾ったこの曲は彼らの30曲目のオリジナル曲となるが、2番でビートチェンジを施すなど未だ進化の余地が存分にあることを示すような強気な姿勢が見え、まだまだ彼らに期待していたくなるような一曲だった。アンコールは「JET」「Pika Pika」で文字通りぴかぴかと光る笑顔でファンと目を合わせ、煌びやかな2時間の幕を閉じた。

 景気の良さを重視したというツアータイトルの通りカラフルで派手、リッチで豪華な演出で見応えのあるコンサートだった。しかしそれには彼らのずば抜けた身体能力の高さが基盤となっているものも多く、アイドルとしての基礎的な実力をひたすらに見せつけられた時間でもあった。5人自らが主体となって作り上げるエンターテインメントをこれからも楽しみにしていたい。

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