SEKAI NO OWARI、アルバム『Nautilus』が2位獲得 キラーフレーズ多数、バンドの実像示す一枚に

 ここに挙げたものはほんの一部で、こうした尖ったフレーズが作品の所々に散りばめられている。タイアップ曲が多くどれも独立した一つの作品ではあるものの、それでも不思議と一貫した共通性があり、アルバムを通して現在の社会や世の中に対する同バンドの強いアティチュードを感じた。そして、彼らはそうした強いメッセージ性と音楽的なポップセンスとの両立が巧みだ。その意味で最も完成度が高いのがやはり「Habit」だろう。

SEKAI NO OWARI「Habit」

〈君たちったら何でもかんでも/分類、区別、ジャンル分けしたがる〉
〈すぐ世の中、金だとか、愛だとか、運だとか、縁だとか/なぜ2文字で片付けちゃうの〉

 歌詞にはこうした人間の習性を批判するような攻撃的なフレーズがずらりと並ぶ。一方で、韻を踏んだり、リズミカルなサウンドアレンジでまとめあげることで、全体的な聴こえ方としてはノれるポップソングの佇まいを見せている。このバランスが見事だ。

 SEKAI NO OWARIと言えば、ファンタジー感のある明るいポップなイメージを持つ人も多いはず。しかし、実際にはその中に強烈な毒や棘を持っている。今回のアルバムは、そうした彼らの実像が、非常に洗練された形で表現された一枚だと感じた。

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