BTS SUGA、兵役中もファンに注がれる愛情 『シュチタ』で語られてきたエピソードの数々
エピソード27ではチャン・イジョンが「公の場で、この話をするのは本当に初めてなんだけど……」とステージで歌えなくなった当時の心境を語る場面もあった。原因のわからないその症状は、次第に日常の会話にも影響を及ぼすほどになっていったとも。
そんなチャン・イジョンを車に乗せて、運転しながら「僕はイジョンさんの声に早く戻ってきてほしいんだ」「お金はいくらかかってもサポートするから、そういうことの心配はしないで治療を受けてみて」と寄り添ったのがSUGAだった。家族でさえもそんなふうに声を掛けてくれることはなかったといい、「(SUGAの言葉に)窓を見ながらちょっと泣いたんだよ、知らなかったでしょ?」といたずらっぽく聞くチャン・イジョンに、「運転してたから」と照れ笑いをするSUGAの素の表情が微笑ましかった。
そうした深い話がじっくりと聞けるのも、この『シュチタ』ならではだ。兵役を開始する前の多忙な時期に、いわゆる「撮り溜め」をしたとは思えないほど、1人ひとりとじっくり向き合っているのが伝わってくる。お互いの才能にリスペクトを示し、その背景にある生き様に感銘を受け、そしてまたそれぞれの作品作りに刺激を与え合う。この時間を通じて、表現者たちがいいものを吸収しているのを目の当たりにしているような感覚さえある。
とはいえ、そんな「撮り溜め」も永遠には続くものではなく、一旦このエピソード27までの公開となった。最後の挨拶でSUGAは「堅苦しい挨拶はしたくありません。もう少しお待ちいただけたら7人で元気よく駆け回りながらステージをする僕たちをお見せできると思います。その日を何度も想像しています。目を覚ましたらきっと僕たちがいると思いますよ」と実に彼らしいメッセージで締めくくる。
残念な思いはあるものの、何度も見返したくなる濃厚なコンテンツをこれだけ残してくれたことにまず拍手を送りたい……と、思っていたところに今度は、初ソロワールドツアーの最終公演を記録した『SUGA | Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE MOVIE』の公開が発表されたではないか。
4月26日より全国ロードショーするというこの映画は、ライブ映像のほか舞台裏の素顔にも密着。さらにゲストとして登場したRM、JIMIN、JUNG KOOKとのコラボステージも、劇場のパワフルなサウンドで堪能できるというから必見だ。寂しがっている暇を与えない勢いでARMYを楽しませ続けるBTS。SUGAの言った通り「目を覚ましたらその日を迎えていた」という感覚になることを願いながら、再会を待ちたい。
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