ミーガンvsニッキー、アイス・スパイスvsラトー…加速・激化する現代のビーフをどう見る?
もう一つ、話題のビーフとしてあげられるのはアイス・スパイスとラトーの一件だろう。アイス・スパイスが1月29日にリリースしたシングル「Think U The Shit (Fart)」で、ラトーに向けて放ったのではないかというラインが話題になった。
そもそもこの確執は、昨年、ラトーがレッドカーペットでインタビュアーにアイス・スパイス「Bikini Bottom」を暗唱させられ、完璧に歌わなかったことが発端ではないかとされている。そこから、今までも曲中でお互いについての言及を仄めかすラインを残してきた二人だが、例に漏れず、ラトーが2月14日にリリースしたシングル曲「Sunday Service」で、前述のアイス・スパイスの楽曲へのアンサーとも取れるラインを多くの人が確認した。ただしこの曲は、MVでアイス・スパイスを含む複数の女性ラッパーの目にモザイクをかけているように、多くのコンテクスト、複数のアーティストへの言及が仕込まれている。
前述のミーガンとニッキーのビーフのような過激な事態には至っていないが、約1年の間で交わされる、二人の仄めかしを含むやり取り、そしてこのスピード感はSNSでの発信と拡散が重要な背景にあることは明白だろう。
流動的な現代において“ビーフ”は拡大する。それを取り巻くファンダム、外野の秒刻みの反応が可視化されやすくなり、また、アーティスト自身もSNSにおいて、即座に反応することができるからだ。それが作品のクリエイティブにつながることもあれば、ただの感情的な悪口の副産物になることだってあるだろう。いずれにしても、注目されることは避けられない。ただし、暴力の主体になってしまうことだけは、なんとしてでも避けてほしいものである。
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