BTS V、IUのMV出演に求められたものとは? 入隊1週間前に挑戦した引き込まれる演技

アーティストとして共鳴し合う、VとIUの感性

 驚かされたのは、寒さだけでなく7時間も走り続けたという過酷なMV撮影が、なんとVが兵役に向かうわずか1週間前というギリギリのタイミングに行われていたこと。そんな大事な時期にもかかわらず、Vが出演を快諾したのは、IUとの共通した感性が大きかったようだ。

 「先にお送りした音楽をVさんがとても気に入ってくださって、快く引き受けてくださったんです。“曲すごくいいね、僕やるよ”って。唯一無二のキャスティングであったと思います」と、その時の様子を振り返るIU。Vも「(曲を)聴いたらあまりにも僕の好みだったから、これはMV撮影しないと後悔すると思ったので出演を決めたんですね」と続けていた。

 実は「Love wins all」を作曲したのは、IUのYouTubeチャンネル内のトークコンテンツ「IUのPalette」でバンドメンバーとして活躍するソ・ドンファン。Vも2023年9月12日公開の「IUのPalette」にゲストとして登場しており、歌唱を披露した際にPaletteバンドメンバーの演奏を絶賛していたことを思い出す。キーボードを担当したソ・ドンファンについて、特に「Vのお気に入りだった」と語るIU。Vも「スカウトしたかったんだよね」と自分の制作仲間に引き入れたいといった様子だった。

 振り返ってみるとVが「IUのPalette」に出演した際にも、VとIUはいいと思うものが非常に似ているように感じた。Vのソロアルバム『Layover』について絶賛していたIU。このソロアルバムは、これまでVが見せてきた“BTSのV”とは異なる、Vの個人的な魅力をそっと紐解いたようなものだった。そんなテーマを具体化させた素の表情を収めたコンセプトフォトを、特にIUは気に入っていた。

 また、VがNetflixの『このサイテーな世界の終わり(原題:The End of the Fucking World)』を「演技に対する観念が完全に変わりました」と衝撃を受けた作品として紹介すると、IUも「その作品、私も好きです」とチェックしていたことが判明する。アイドル的な魅力でステージを華々しく飾る一方で、音楽への飽くなき探究心、そして俳優としても表現を突き詰めていく妥協のない姿勢……と、彼らの共通点が次々と見えてくるような気がした。

 「IUのPalette」では演技への意欲も語っていたV。兵役を終えた後は、アーティストとしてさらなる可能性を広げていくのではないだろうか。IUとのコラボを通じて、さらにその見込みは確信へと変わっていくようだった。天性の可愛らしさに加えて、年々増していくカッコよさと頼もしさ。「そんな人いる?」と言いたくなるほどの唯一無二の存在として、活躍していくことを期待している。

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