GARNiDELiA、中国での絶大な支持が自信に 奇跡のような日々から生まれた『TEN』を語る

リアリティ番組でブレイクのMARiA、日本と中国の架け橋に

――また「QUEEN(S)GAME」は、GARNiDELiAらしいエレクトリックなアッパーの楽曲ですが、歌詞がすごく面白いですね。

MARiA:ゲーム用語を散りばめました。もともとゲームは大好きで、スマホのゲームもやりますし、コロナの自粛期間中はオンラインで『Fortnite』とか『APEX』などのFPS、『モンスターハンター』などをよくやっていました。

――そこにクイーン感が加わっていて。

MARiA:〈世界はこの掌に 全てが私の思い通り〉や〈頭が高い ひざまづきなさい〉の部分は、以前だったら書けなかったと思います。私、中国で「ステージの女王」と呼ばれているんです(笑)。ステージでは絶対に負けないという称号を与えられているので、そこからイメージを広げて書いたのがこの曲です。

toku:ステージでは女王で、ステージを下りるとコミカルな可愛さがあるというギャップが、中国でウケていて。

MARiA:『乗風2023』はリアリティ番組だからステージの上も下も全部撮られていて、普段は食いしん坊でおっちょこちょいのおとぼけキャラなんですけど、歌うと人が変わるというので、それが私のキャラクターになっていて。ご飯を食べている時の私なんて日本ではほとんど見られたことがなかったのに、それが中国全土で放送されて、“美依礼芽(MARiAの中国での表記)は食べるのが大好きでお酒が大好き”、みたいな(笑)。もともと食いしん坊ではあったけど、そこばかり抜かれて放送されたものだから。

――そういうリアリティ番組に出る決断をする時、「私は歌手だから」とか「出ない」という選択肢はなかったのですか?

MARiA:もちろんありましたけど、「そんなことは言っていられない」という状況だったんです。コロナが明けてどうやったらGARNiDELiAの活動の場や、私の音楽人生を広げられるかを考えていたところに舞い降りてきたのが、番組への出演オファーだった。私は「すごいチャンスだ」と思ったんです。きっと20代前半の頃だったら「自分のブランディングが……」とか考えたと思うけど、今では「とりあえず行っちゃうか!?」みたいな感覚。つかめるものは藁でもつかもうという感じ。何でもやってみれば、何かにつながると思ったし。

toku:僕は「いいんじゃない?」「行ってきなよ!」と。他の出演者の方も中国で名前のある方ばかりだったから、すごい経験になるんじゃないかと思いました。

MARiA:他の出演者の方は、みんな中国ではとんでもないスーパースターで、世界的にも知られているような人ばかりでした。周りの共演者がどんな人かもよくわからず飛び込んだので、中国の人から見たら「あんな大御所に、そんなフランクに接するんだ!」みたいなところも面白かったのだと思います。大御所の方から何か言われても、中国語がわからないからキョトンとしていて、そういう絡みも楽しんでもらったようです。

――中国の情報は日常的にはあまり入ってこないので、実際にお話を聞いて、中国でのMARiAさんの人気に合点がいきました。

MARiA:だからこそ私が架け橋になりたいと思っています。日本にC-POP(中国のポップス)が入ってこないのと同じで、中国にもJ-POPはほとんど入っていなくて。

toku:入ってはいるけど、一部ですよね。

MARiA:日本文化が好きな人は一定数いるけど、一般的には全くと言っていいほど入っていない。そんな中で私は、特別枠みたいな感じでいろいろな番組やフェスにも出させていただけるようになったので、ここからC-POPのいいところを日本にお伝えできたらと思っているし、中国には日本のいい音楽をどんどん伝えていけるような存在になりたいです。

――40年以上前に中国に行ったことがあるのですが、どこに行っても街で山口百恵さんの「いい日旅立ち」が流れていたのが印象に残っています。

MARiA:今も百恵さんの歌は中国ですごく人気ですよ。中国の人は、今のJ-POPよりも、70年代~80年代初頭の日本の歌謡曲がすごく好きです。中島みゆきさんもすごく知られていますね。それに中国では、テンポが速い曲よりもバラードがウケるんです。みんなで一緒に歌う文化というのもあるし。あとは中国の歌手が日本の曲を中国語でカバーして、カバーであることを知らずにヒットしているというパターンもありますね。

――もともと中国の人は日本の歌謡曲のメロディが好きなんでしょうね。今回のアルバムでも昭和歌謡っぽいメロの曲があって。

MARiA:「スズラン」ですね。これは中国のスマホゲーム『鈴蘭の剣』の公開お祝いソングとして作ったもので、歌謡曲を意識して作ったわけではなかったですけど、おのずと中国の方が好きな感じになりましたね。

――ちなみに『乗風2023』に出演した中国での3カ月はどんな生活だったのですか?

MARiA:寮で合宿生活でした。みんなと寝泊まりして、練習スタジオに行って、また寮に戻って。ずっとカメラが回っていて、寝る時に「おやすみなさい」と言ってカメラに靴下でカバーをするという。

――精神的な負担も大きかったのでは。

MARiA:私はもともと「みんなに笑顔になってほしい」という気持ちでエンターテインメントの世界に飛び込んで、その気持ちは今も変わらないから、自分が辛い姿や泣いている姿をみんなに見せてはいけないというのがあって。みんなの前では堪えていたけど、理由もなく涙が溢れてきて、「もう帰りたい」と何度も思いました。異国の地で、スケジュールがずっと詰まっていて、言葉が通じないから助けを求めることすらできない。そんな私の辛い気持ちを共演者のみなさんが察してくれて、「辛くないわけがないのに、いつも笑顔を絶やさない、MARiAはすごくいい子だ」と言って、めちゃくちゃ助けてくださったんです。その様子が放送されて、視聴者が感動してくれて、みんなが愛してくれるようになりました。

【初舞台】メイリア「極楽浄土」中国語と日本語を混ぜたスペシャルバージョン「乗風2023 」Ride The Wind 2023 | MangoTV

――その3カ月で何か楽しみだったことってありましたか?

MARiA:ほぼなかったです(笑)。オーディション番組だから毎週1回ステージに立って、点数を獲れなければ落とされるし、中国語の曲を3日でマスターして、ステージに立たなければいけなかったり。そのプレッシャーがとにかくすごかった。最初は「もう落ちてもいいや」と思っていましたけど、最初に圧倒的な1位を獲らせてもらったものだから、「ここまできたらやってやろう!」って。常にやばい精神状態でしたけど、だからこそ得ることやできたものも大きいし、耐え抜いて良かったなって今は思っています。

――そして2023年末には、中国版の『紅白歌合戦』のような番組に出演されたそうですね。

MARiA:出演して深夜便で東京に帰ってきたので、空港で「あけましておめでとう」を言いました(笑)。日本の『紅白』より先に中国の『紅白』に出させてもらったのはすごい話ですけど、次は日本で、とか、そういうことに対する執着は今はありません。日本でウケたいとか、こだわる気持ちもなくなりました。待っていてくれる人がいれば、どこの国であろうと私たちのファンであることに変わりはなく、そこに日本とか中国とか国籍や国境もありません。GARNiDELiAの曲が好きで、GARNiDELiAのライブを愛してくれるなら、世界中どこへでも行きます!

toku:もしも狙うとしたら、次はインドかな(笑)。

MARiA:今回の衣装もオリエンタルで、ちょっとインド王朝っぽいしね(笑)。中国とインドで世界の人口1位と2位だから、もし進出できたら世界で一番知られているユニットになれるかも! 夢がありますね。

 

■リリース情報
『TEN』
発売日:2024年1月17日(水)

【きゃにめ限定盤】11,000円(税込)
『GARNiDELiA stellacage 2023 -stella ship- Re:CoNNeCT』上海公演ライブ映像を収録したBlu-rayが同梱
<収録曲>
01 ―TEN―
02 暁桜(スマホゲーム「陰陽師」7周年記念ソング)
03 蒼天(Nintendo Switch専用ゲーム「滄海天記」主題歌)
04 謳歌爛漫
05 幻愛遊戯(TVアニメ『うちの師匠はしっぽがない』オープニング主題歌)
06 猫の城(スマホゲーム「猫之城」主題歌)
07 QUEEN(S) GAME
08 フィクション
09 FRONTiER
10 スズラン(スマホゲーム「鈴蘭の剣」の"公開お祝いソング)
11 一蓮托生
12 ONLY(TVアニメ「贄姫と獣の王」エンディング主題歌)
13 Future Wing(2023年原神誕生日応援ソング)

【初回限定盤】4,950円(税込)
MVとオフショットを収録したBlu-rayが同梱
<収録曲>
01 ―TEN―
02 暁桜(スマホゲーム「陰陽師」7周年記念ソング)
03 蒼天(Nintendo Switch専用ゲーム「滄海天記」主題歌)
04 謳歌爛漫
05 幻愛遊戯(TVアニメ『うちの師匠はしっぽがない』オープニング主題歌)
06 猫の城(スマホゲーム「猫之城」主題歌)
07 QUEEN(S) GAME
08 フィクション
09 FRONTiER
10 スズラン(スマホゲーム「鈴蘭の剣」の"公開お祝いソング)
11 一蓮托生
12 ONLY(TVアニメ「贄姫と獣の王」エンディング主題歌)
13 Future Wing(2023年原神誕生日応援ソング)

【通常盤】3,300円(税込)
<収録曲>
01 ―TEN―
02 暁桜(スマホゲーム「陰陽師」7周年記念ソング)
03 蒼天(Nintendo Switch専用ゲーム「滄海天記」主題歌)
04 謳歌爛漫
05 幻愛遊戯(TVアニメ『うちの師匠はしっぽがない』オープニング主題歌)
06 猫の城(スマホゲーム「猫之城」主題歌)
07 QUEEN(S) GAME
08 フィクション
09 FRONTiER
10 スズラン(スマホゲーム「鈴蘭の剣」の"公開お祝いソング)
11 一蓮托生
12 ONLY(TVアニメ「贄姫と獣の王」エンディング主題歌)
13 Future Wing(2023年原神誕生日応援ソング)

購入サイト
【初回限定盤】
https://canime.jp/product/PCCA000006253/
【通常盤】
https://canime.jp/product/PCCA000006254/

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