リアルサウンド連載「From Editors」第39回:2023年のライブ納めは7ORDERでハッピームード

 「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカルチャーをピックアップしていく。 

ライブ納めは7ORDER

 2023年が終わりますね。年内最後のライブとして7ORDERの『7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll』LINE CUBE SHIBUYA公演を12月30日に鑑賞してきました。追加公演が1月1日に予定されているので内容には触れられませんが、華やかでハッピームード全開のステージは私の2023年の最後を明るく締めてくれたように思います。

 7ORDERはかつて所属していた事務所からメンバー全員で退所し、“ハッピーをみんなで作り上げていく”をモットーに、2019年5月22日から7ORDER projectと銘打って活動をスタート。芸能事務所には所属せず、活動当初はメンバー自身がCDの梱包を行うなど、DIY精神全開でオルタナティブな道を切り拓いてきました。今では個人事務所の設立や独立は珍しくはないですが、当時の状況においては大変勇気のいる行動だったのではないかと想像します。

 そういった活動形態の中でも、日本武道館や国立代々木競技場 第一体育館といった大きなステージでライブを開催。筆者もそれらの公演を観てきましたが、歌とダンス、そしてバンド演奏まで全てをメンバー自身がこなすスタイルは、男性アイドルグループの中でもオリジナルです。時にカッコよく、時にチャーミングに、お客さんを楽しませようと振る舞う彼らは生粋のエンターテイナーなのでしょう。楽しく夢中に何かに打ち込む人の煌めきを見ると、それだけで気持ちがいいものです。彼らのパフォーマンスには、そんな万人を笑顔にするパワーを感じられます。

 コロナ禍の逆境の中でトップまで上り詰め、東京ドーム公演開催を控えるBE:FIRST、TOBEの期待株であるNumber_i、今年も2年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場するJO1など、魅力的な国産ボーイズグループ/男性アイドルがどんどん増えています。どのグループも音楽性やスタイルに個性を出し、日本で、世界でオンリーワンでナンバーワンの存在になろうと日々研鑽を積んでいるでしょう。そんな群雄割拠の時代、そこで存在感を出すのは想像を超えるスキルと運が必要だとは思いますが、ライブを観ながら7ORDERの稀有なスタイルにも2024年はよりスポットが当たってほしいと思いました。

 2023年も様々なジャンルのライブを観てきました。コロナの規制がなくなったことは大きく、ライブ会場には2019年の活気が戻ってきています。いや、開放感からかそれ以上の熱気を感じる瞬間もあります。それと同時にバーチャルアーティストや顔出しをしないアーティストといった新興カルチャーも一般化し、さらに海外で評価されるアーティストも続々登場。ライブに限らず、音楽シーン全体がより一層面白くなってきていることを感じた一年でした。2023年の勢いをそのままに、2024年は海外で勝負をかけるアーティストもどんどん増えていくことでしょうし、2020年に止まってしまったものが本当の意味で動き出す、そんな年になるような気がしています。

 来年はもっといい年になるといいな。それでは、みなさん良いお年を。

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