崎山蒼志、『The Best 2018-2023』で見せた5年間の歩み 新旧織り交ぜた選曲、諭吉佳作/menも登場

 続けて、「塔と海」「逆行」「ソフト」の3曲をメドレーで披露し、バンド編成での「Samidare」へと繋げていく。冒頭に弾き語りでも披露された曲だが、バンドアレンジではまた違った表情を見せてくれる。力強いドラムに蠢くベース、まろやかなピアノの音色が楽曲に彩りを添えていた。

 「今年、自分にとってすごく大切になった曲です」と紹介して届けられたのは、TVアニメ『呪術廻戦』第2期「懐玉・玉折」のエンディングテーマとして話題を集めた「燈」だ。オレンジ色のあたたかいライトが灯る中、崎山は伸びやかな歌声を会場に響かす。「Samidare」からの「燈」。どちらも彼のキャリアにおいて重要な意味を持つ曲だろう。さらに、ライブ当日に配信リリースされたばかりの最新曲「しょうもない夜」もパフォーマンス。この5年間での彼の成長と、現在の集大成を一気に感じられたパートだった。

 「潜水」で力強いバンドサウンドを響かせ、ここでバンドメンバーは退場。ステージに1人残った崎山は「本当にありがとうございました。日々進化できるように頑張っていきますので、また見に来てください」と感謝の想いを語り、最後に弾き語りで「国」を届けた。高速ストロークに小気味いいカッティングと、めまぐるしく変化するギターの音色が気持ちいい。弾き語りだと楽器は歌を引き立てる役にまわりがちだが、崎山の演奏は歌もギターも主役なのだと感じる。これぞ崎山蒼志と思わせるような圧巻のパフォーマンスで会場を沸かせ、本編を締めくくった。

 アンコールに応えてステージに戻った崎山は、「今日は本当にありがとうございました」と嬉しそうに客席へ手を振った。改めてバンドメンバーを紹介し、ラストに1曲「舟を漕ぐ」をバンド編成で披露。4人の一体感のある演奏で、再びフロアを揺らした。

 インディ―ズデビュー曲から最新曲まで届け、さらに、弾き語り、同期演奏、バンド演奏とさまざまなパフォーマンスも見せてくれた今回のライブ。『The Best 2018-2023』のタイトル通り、彼の5年間の活動を凝縮したようなライブだった。1月には自身初の海外ツアー『Sakiyama Soushi ASIA TOUR 2024』も控えている崎山蒼志。まだまだ未知数の可能性を秘めている。

『呪術廻戦』第2期ED、羊文学「more than words」と崎山蒼志「燈」に共通する“青春”描く映像 それぞれが歌う関係性

現在放送中のアニメ『呪術廻戦』「渋谷事変」では、エンディングテーマとして羊文学の「more than words」が採用されてお…

崎山蒼志、鮮やかに鳴り響くバンドサウンドで魅了 石崎ひゅーいも登場した『Face To Time Case』ツアー東京公演

崎山蒼志の東名阪バンドツアー『Face To Time Case』の東京公演が2月12日にSpotify O-EASTで行われた…

関連記事