スリーズブーケ「Holiday∞Holiday」、『アイマス』×『ラブライブ!』合同フェス後にバイラルチャートイン

 スリーズブーケは、人気コンテンツ『ラブライブ!』シリーズに、新プロジェクトとして誕生した“蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ”のメンバー内ユニットだ。蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは、3月29日にデビューミニアルバム『Dream Believers』をリリースした後、スマートフォン向けアプリ「Link!Like!ラブライブ!」をローンチ。金沢を舞台に繰り広げられる6人組の毎日がリアルタイムで進行している。ストーリーや楽曲が、スリーズブーケ、DOLLCHESTRA、みらくらぱーく!というユニットメインで描かれていること、アプリ内でユーザーがトーク配信やライブに参加できるなど、『ラブライブ!』シリーズの中でも新しい試みが組み込まれている。

スリーズブーケ 「Holiday∞Holiday」 リリックビデオ (ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ)

 スリーズブーケは日野下花帆と乙宗梢によるユニットで、ユニットスプリットシングルを合わせると本年4作品をリリースしている(蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ名義のアルバム、ミニアルバムは除く)。今回、バイラルチャート2位にランクインした「Holiday∞Holiday」は、6月14日に発売されたDOLLCHESTRA とのユニットスプリットシングル『Holiday∞Holiday/Tragic Drops』に収録された1曲。約半年前にリリースされた楽曲で、まさに突然のチャートインとなったわけだが、その最大の理由は、12月9日、10日に東京ドームで開催された『アイドルマスター』と『ラブライブ!』のコラボライブイベント『異次元フェス アイドルマスター★♥︎ラブライブ!歌合戦』への出演だ。しかし、ただ出演しただけではここまで上位に食い込んでは来ない。なぜなら同ライブイベントは2日間で100曲が披露され、さらに両日でファイナルソングとなったイベントテーマソング「異次元★❤︎BIGBANG」も公開されている。そんな中で「Holiday∞Holiday」がSNSでのシェアで拡散され、バイラルチャートにランクインしたのは“異次元”を越えた多くの人の心を動かすインパクトが複数あったからだと考察する。

 まずは楽曲のインパクト。ブライトで軽快なメロディ、賑やかなアレンジ、サビの〈月・火・水・木・金・土・日〉というキャッチーな歌詞、王道の楽曲展開、後半にバックトラックの音数を少なくして歌声をしっかり聴かせるドラマチックな構成など、“アイドルの心構えがなければ歌えないアイドルソング”になっていると思う。

 そんな中で最も強烈なフックになっているのは、少し鼻にかかった歌い方をする2人の歌声である。この歌声が楽曲に絶妙な湿度を与え、甘さの中に切なさを醸し出している。歌に対するアプローチは似ているが、声音の違いでそれぞれがしっかり印象を残しているところもいい。ユニゾンする部分も声の重なりがとても綺麗で、可愛らしさが倍増する感触がある。CVの楡井希実と花宮初奈が、それぞれキャラクターに寄り添い歌っていることがわかる。また両者とも『ラブライブ!』シリーズへの出演を目標に声優を目指し、何度か同シリーズオーディションを受けた後、今作で初めて役を射止めている。“みんなで叶える物語”という『ラブライブ!』シリーズのテーマを体現しているような両者の経歴も、異次元を越えた共感を呼んだ。加えてクリスマスが近かったこともあり「Holiday∞Holiday」というタイトルが、ライブで披露された100曲の中でもリスナーの日常にドンピシャでリンクし、インパクトを残したのではないだろうか。

 2023年もバイラルチャート分析を通して、知らなかった音楽にたくさん出逢うことができた。同チャートはシェアした数が反映される。2023年の最後に、スリーズブーケを知ったのも、リスナーのシェアのおかげである。いつも新しい音楽を教えてくれるリスナーの皆さんに感謝したい。2024年もよろしくお願いします。

※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-12-20

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